花をジュリオ王子の上から落として花まみれにしたら仕返しをされそうだった僕は、現在逃げていた。

 ジュリオ王子は初めは座っていたので、僕は余裕で逃げられるかと思った、のだが。
 

ティモシー

うわっ


 そこで僕の手首が掴まれる。

 その時体のバランスを崩してそのまま僕は花畑に倒れ込んでしまう。

 幸いにも、花がクッションの役割をして僕はそれほど痛くなかったのだけれど、その時にジュリオ王子が僕に覆いかぶされるように倒れていた。

 倒れた僕の両方の方の隣手をついているジュリオ王子。

 妙に真剣な顔をしているジュリオ王子を見ながら僕は、

ティモシー

何だか押し倒されているみたいだ

ジュリオ王子

なるほど、じゃあこのままティモシーを押し倒してしまおうか

ティモシー

? 親友を押し倒すの? ……え


 そこでジュリオ王子が抱きついてきた。

 僕の耳の隣にジュリオ王子の顔が埋められる。

 僕の耳にジュリオ王子の吐息が当たる。

 これは多分冗談で僕にジュリオ王子がしているだけなのだ。

 なのに、胸が早鐘を打つように繰り返し音をたてている。

 落ち着け、落ち着こう、ジュリオ王子が僕をからかってくるんだ。

 昔からそうだったじゃないか、そう僕が思っているとそこで、僕の耳が軽くはまれた。

ティモシー

うにゃ! や、や、舐めるな


 唇でハムハムされて、かと思うと舌で舐められて、それだけでぞくぞくする。

 変なその感覚に僕は震えながら小さく、

ティモシー

や、やめてよぅ……

ジュリオ王子

……ティモシーは昔から耳が弱いよな

ティモシー

弱いの知っていてやらないでよぅっ! ふあああっ


 そこでジュリオ王子が首筋にキスをして強く吸う。

 僕がそれにびくりと震えていると、ジュリオ王子が笑った。

ジュリオ王子

そうだな、流石に外はまずいよな

ティモシー

そ、そうだよ誰が見ているか分からないし

ジュリオ王子

うんうん、さてと。こうして逃げられないティモシーをこれから俺が、たっぷりと花まみれにしてやろうな


 そう言って僕から体を話して笑ってジュリオ王子は、宣言通り花を摘み、僕の頭や服に花を幾つも飾って僕を涙目にしたのだった。

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