僕の別荘の前にいたジュリオ王子。
相変わらずの笑顔を見ながら僕は、
僕の別荘の前にいたジュリオ王子。
相変わらずの笑顔を見ながら僕は、
どうしてここに?
いや、婚約破棄を突き付けたティモシーの様子を見に。……全然平気そうだな
うん、だっていずれそうなると思っていたし?
……それは、どういう意味なのかな?
ほんの少し声音に変化があったような気がしたが、ジュリオ王子は相変わらず笑顔なので気のせいかなと僕は思った。
そしてどうしてそう僕が思ったのかについて聞かれたので、
だってジュリオ王子は僕と“親友”だし。
婚約とか結婚とかそんな相手じゃないような気がしたんだ。
だから婚約破棄は順当で、これから“親友”になれるのかなって
なるほど。それはそれは……なるほど
なるほどと繰り返すジュリオ王子。
納得してくれたのだろうか? そう僕は思いつつも、
でもどうしてこんな別荘に来たのかな?
……ティモシーがいるらしいから、ここに来たんだ
そうなんだ。でもおつきの人もいなくて危険じゃないかな?
……それはティモシーもそうじゃないか。
使用人も護衛もここは少ないぞ
そうだね。その方が静かでいいかな
あまり仰々しいと何かあったのかと思われてしまうしと僕が思っているとそこで、じっと真顔でジュリオ王子が僕を見た。
どうしたの?
……そうやって小首をかしげるティモシーは可愛いなと思っただけだ
! ぼ、僕だって前よりは男らしく……
なっていないな。気のせいだ
ひ、酷い……
そんなどうでもいい事より、ティモシーからちょっと話が聞きたいから、別荘に入っていいか?
そう僕はジュリオ王子に言われたのだった。