こうして僕は田舎の別荘に向かう事に。

 しばらくそこでゆっくりとするといった話になった。

 そして久しぶりに会ったヒロインちゃんはまだ僕の屋敷に居たので事情を話すと、

ヒロインちゃん

……押して駄目なら引いてみろ作戦は失敗だったようね

ティモシー

? 何が?

ヒロインちゃん

私、最近ティモシーを見ていて思う事があるの

ティモシー

? 何?


 ヒロインちゃんは死んだ魚のような目をしながら僕を見て、いった。

ヒロインちゃん

貴方、私の事が好きって言っていたけれど、Love、じゃなくて、Likeの方でしょう

ティモシー

! そ、そんなことないよ、僕、女の子が好きだし

ヒロインちゃん

……駄目だこの公爵家のアホ息子、全然気づいていない

ティモシー

! なんですかその公爵家のアホ息子って! こう見えても僕、学校は2位の成績で卒業しましたよ! 1位はジュリオ王子だったけれど

ヒロインちゃん

そうね、ジュリオがんばっていたものね。ティモシーには絶対負けたくないと言っていたから

ティモシー

ジュリオ王子は負けず嫌いですからね~


 僕はそう言って以前の走る競争の時も僕に負けじと頑張っていた時の事を思い出して、自然と笑みがこぼれる。

 だがそんな僕を見てヒロインちゃんは更に死んだ魚のような目になり、

ヒロインちゃん

……まあいいわ。いい加減、甘やかしすぎたってジュリオ王子も気づいた頃でしょう

ティモシー

甘やかしすぎた?

ヒロインちゃん

……戻ってきたらまた、別荘のお話聞かせてね

 そう言ってそれ以上何も言わずヒロインちゃんは僕の前から姿を消した。

 そして次の日別荘に向かった僕。

 こじんまりとしながらも心地のいい場所に立った別荘に僕はやって来たのだけれど、

ジュリオ王子

来ちゃった

ティモシー

な、何でジュリオ王子がここに!


 僕の別荘の前に、何故か婚約破棄を突き付けてきたはずのジュリオ王子がいたのだった。

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