洛中に拠点を置き
栄え続けている一座があった。

ただいまは七代目座長セリによって
また、洛中を。はたまた、国中を
魅了し続けているのであった。

・・・と世間体を語れば、我が家自慢の父親であろう

世間体は!!!

しかし、父親というものは理解が追い付かない
そもそも理解したいとも思わない。

俺は、あの父親よりも凄いホトケノ座の座長になって
父親を超える芸を身に着けたいと思います。

ハコベラ

以上が、俺の作文です

ナズナ

えっと・・・ハコ君?
セリさん泣いちゃうよ

ハコベラ

あんなくそ親父には、これくらいが十分ですよ。
母上!!!

ナズナ

で、でも...
セリさんはお家の為に頑張ってくださってるのだから

ハコベラ

母上は甘いのです!!!!
第一、あのくそ親父がこの家に帰らないのは母上もご存じのとおり・・・もうホトケノ座に引きこもって三月は経ちました

ここはひとつ。長男のハコベラに任して頂けないでしょうか?

ナズナ

任せるって何を?

ハコベラ

あのくそ親父を引きずり戻してまいりましょう

にやりと微笑んで見せるハコベラ。

ナズナは困ったように「うーん」と長い唸り声を上げ
その後、思い出したように棚の方へ駆け寄った。

ナズナ

あ、これをセリさんに届けてほしいの
・・・もし帰ってこれそうだったら、一緒に帰ってきてね

目を細める母の姿はとても弱弱しいものであった。

それもこれも、全ての元凶はあのくそ親父にある。

ハコはその父への怒りを歩みに乗せ、力強い足取りで玄関を抜けるのであった。

玄関出て三歩。魔物に遭遇

スズナ

あ、マザコンハコ君だ!

スズシロ

・・・なーちゃん。まざこんってなぁに?

スズナ

マザコンってのはね・・・ごにょごにょ

スズシロ

うわぁ・・・ハコ君恥ずかしいね

スズナ

恥ずかしいの!

ハコベラ

出たなアホツインズ!!

スズナ

アホツインズじゃないもん!
スズナには立派な名前があるの!

スズシロ

シロちゃんにも立派な名前があるもん!!

ハコベラ

あーもー!
分かったから一緒に話さないで・・・

大体、そのマザコンって言葉を誰に教えてもらったの?
なーちゃんもしろちゃんもそんなこと言う子に育てた覚えはないぞ

スズシロ

誰って・・・ぱぱ?

スズナ

パパだよ!

ハコベラ

またあのくそ親父かよ!!!とりあえずあったら殴るからな

スズナ

ハコ君、暴力はダメだよ!
異 議 申 し 立 て

スズシロ

いぎもうしたて!

ハコベラ

わ、分かったから。異議申し立てしてくる!
おかあさんといっしょにお留守番頼んだからね

ハコベラは無事に魔物(妹達)との戦闘を終えた・・・経験値なんてあってたまるか。

さて、ハコ君は無事にホトケノ座にたどり着けるのでしょうか。


ちょっと続きます。

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