その・・・話があるんだけど・・・

夕暮れ迫る帰り道、青年は少女の肩に話しかける

数歩先を歩いていた少女が振り返り、青年の顔をのぞき込んだ

ん?
どうしたの

俺、決めたんだ

その先の言葉が出てこない

視線を足もとに落とす・・・この先の言葉を発することに不安があった

でも・・・ここで言わないと一生後悔するよな

ぐーんと背伸びをしてみた

視界いっぱいの夕焼けが、まるで応援してくれているようなそんな気がする

今なら、言える

俺、プロの画家になりたい
ってか、なる!なってみせる!!

そう

へ?

笑ったりしないのか?

なんでよ
君は君にしか見ることができない夢を見つけられたんじゃない。

それって凄い素敵なことでしょ

別に彼女のことを疑っているわけではない

ただ自信がなかった。自分の夢を語ることへの恥ずかしさとか、笑われてしまうのではないかとか・・・いろんな不安があった

その不安も、無駄に終わるのだけれども・・・

そ、その
応援してくれるか?

もちろん
プロの画家になったら、一番最初にサイン頂戴ね!

ああ、約束しよう

簡単な道ではないと思うけど、頑張ってね

おう!

夕日をバックに微笑む彼女

世界でまだたった一人の、俺のファン

俺の夢への道は、まだ始まったばかり

一コマ目 夢追い人への応援歌

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