お試し終わり
幸恵(さちえ)さーんアイラビュー!
さ、幸恵さん……ぐうかわ
きゃー! さっちー今日も天使ー!!
うふふ、皆様こんにちは
もうそろそろ飽きたな……普通の人間に愛されるのも
呼んだ?
え?
やぁ、じゃがいもくんだよ!!
じゃ、じゃがいも……!?
いやね? 君が普通の人間との恋は飽きたって言うからさ、魔法をかけてあげたよ
あら、じゃあ素敵な人外から熱い声をかけてもらえるのね
うん、かけてくれるよ!
じゃがいもからね
アイラビュー!
ぐうぐう……
メイクの方法教えて下さーい!
じゃがいもにメイクしてどうするのよ……?
じゃなくて! 絶対に嫌よ、私が求めてたのは、角の生えた人や、尻尾の生えた人からの猛烈なアピール!!
付き合おうとは思わないの……?
何時か、この私を本気で射止められるような人が出てきたらね
随分な自信だ
早く元に戻しなさい
まぁまぁ。何で僕が来たか、そして僕がじゃがいもに変えたか分からないの?
さぁ?
それは君が芋全般が苦手だからさ
ええ。だってお芋はお腹にガスが溜まるんですもの
だから、僕は君に芋を好きになってもらう為に出てきたんだよ
芋を食べたらもとに戻してあげる
い、芋を……!?
……分かったわ。嫌いな食べ物があっては完璧な女性とは言えないしね。食べてあげる
やったぁ! それじゃあシェフー!
シェフは人間なんだ
お待ちどうさま
芋入ってない!!
召し上がれ!
い、頂きます
ごちそうさまでした
ピーマン残ってる!!
こんな調子で芋食べられるの?
まぁ仕方ないじゃない
……ねぇ、どうしてそんなに芋が嫌いなの?
……昔、芋を食べておならをしちゃったことがあるの。そしたら、彼氏どころか、その場にいた、私を好きだと言っていたみんなが幻滅しちゃったの。だから、お芋は嫌い
そ、そんなことで芋が嫌いになったの!?
あなたにとってはそんなことかもしれないけれど、私にとっては凄いショックな出来事なの。今思えば、食べ過ぎだったとは思うけどね
……でもね、僕達お芋は、お姉さんがおならしたって何にも思わないんだよ?
耳も鼻も無いものね
そうだよ。というか、お姉さん、本当は、みんなのことが怖いんじゃないの?
どうして? みんな私のことを崇めてくれているのに
前みたいにおならして、嫌われちゃったら?
……
だから、本当は望んでたんじゃないの? みんながお芋に見えれば良いのにって。そしたら、本当にしたいことも自由にできるって!
……ええ、その通りよ。今凄く、お腹が張ってて苦しかったの。けれど、私は高嶺の花。みんなの前でトイレに駆け込むなんてはしたない
今ならできるよ。何だってね!!
……
芋、久々に食べてみたくなってきた
わーい! シェフ―!!
どうぞ
……
……美味しい
でしょ、お芋は美味しいんだよ!!
……知ってたよ。本当は誰より好きだったんだから
君のこと
えっ……
え……僕のことを……?
てめぇは誰だ
あーあ。負けちまったか
ま、でも。よくお似合いだよ。仲良くやれよ
……
私、これからピーマン食べる!!
お試し終わり
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