* * *

ラムディッシュ邸

* * *















ラムディッシュさんの口から出た


【雪渡りの千本峰】。




初めて耳にする地名に


勇者様は首をひねります。




勇者

雪渡りの千本峰って、どんなところですか?

エレザ

雪渡りの千本峰。
その勾配はあらゆる侵入者を拒み、
その峰は逃げ出すものを切り裂く。

そう言い伝えられています。

勇者

エレザさん、大巫女スイッチが入ったな。

ラムディッシュ

なぁに、ただの雪山だよ。

ラムディッシュ

シャレになんねぇ斜度の斜面がいくつも存在する……な。

勇者

険しい雪山か……。



勇者様は雪山と聞いて


自身の出で立ちが


軽装であることを思い出しました。


勇者

そうだ!
装備品を取りに行かないと……。

エレザ

それなら、これだろ。
勇者様。

勇者

あ、そうです!
草で隠しておいたのに
良くわかりましたね!

エレザ

まーかせてよ。
その辺は巫女テレパシーで
なんとかなっちゃうのさ。

勇者

巫女テレパシー!

エレザ

お固く言えば、
主の預言を賜ったのです。

勇者

主の預言!

ラムディッシュ

昨日、勇者様に言ったろ?
俺が家内に取りに行かせるって、さ。

それで今朝一番で持って越させたんだ。

エレザ

だーれが
なーにを
取りに行かせたってぇ!?

ラムディッシュ

愛しの奥様にお願いして
取りに行って頂きました。

勇者

うは……。
すごい迫力。

エレザ

そうだ、勇者様。
下着をこれに変えておきな。

勇者

これは?

エレザ

ツギノの巫女に伝わる
緋糸手句《ひいとてく》で作られた下着だよ。

薄手でありながら保温に優れる品物さ。

勇者

すみません、ありがとうございます!

勇者

あれ、待てよ?
服の中にいるもふもふさんは
暑くならないかな?

もふ!





雪山装備を工面してもらった勇者様。



あとはダイさんの雪山装備が必要です。


























パーティー離脱














* * *

サーシャ・ドルバ邸

* * *














シーラ

勇くん……。

ポメラ

……。




ベッドに寝ながら涙を流す


シーラさん。


悲しい夢でも見ているのでしょうか。

ソルフェ

決断の時のようだな。

ポメラ

……ああ。












シーラさんが横たわる部屋を出た



ソルフェージュ様とポメラさん。








その表情にはある種の決意がにじみ出ていました。
























二人は炊事場で今夜の食事を作る



サーシャさんの下へと向かいます。



ソルフェ

サーシャ。

サーシャ

はい、どうかしましたか?

ソルフェ

すまぬ、ちょっと頼まれてくれんか?

サーシャ

なんでしょう?

ポメラ

これからアタシ達は
二人で旧アインスターク城へ向かう。

サーシャ

え?
もうすぐ夜になりますよ?




突然の出立に


驚きを隠せないサーシャさん。


ポメラ

少しでも早く事を済ませたくてな。

サーシャ

そうですか……。
であれば仕方ありませんね。

ソルフェ

で、頼みというのが……。

ソルフェ

我らがアインスターク城へ向かっている間、シーラをここへ残していこうと思う。

ソルフェ

そこで一部屋お借りして、シーラを置かせてもらいたいのだが……。

サーシャ

いいですよ、その位。
なんてことありません。

ソルフェ

いや、問題はそこではないのだ。



ソルフェージュ様の表情が曇ります。

サーシャ

というと?

ソルフェ

驚かんでくれよ?




そう言いながらソルフェージュ様は


麻袋を持ち出しました。





そう、この麻袋には……。




ポメラ

ライル、ちょっと出てこい。

……いいのですか?

サーシャ

……声!?

ポメラ

ああ、サーシャなら信頼できる。

わかりました。





ライル

ピョコ!

サーシャ

ヒッ……。
魔も……。



突然姿を表したライルさんに


サーシャさんは驚きの声を


上げそうになりましたが


自ら口を抑えて声を殺します。


ポメラ

シーラのスク……執事、コボルトのライルだ。

ライル

はじめまして、サーシャさん。袋の中から一部始終聞いていました。

サーシャ

は……はじめまして…。

ポメラ

コイツはシーラの命令なしではシーラからは離れられないんだ。つまりは一緒にここに残ることになる。

ポメラ

シーラの身の回りの世話はライルがする。必要以上に接する必要もない。

ライル

よろしくお願いします。

サーシャ

こ、こちらこそ、
よろしくお願いします。

ソルフェ

緊張しておるのか、サーシャ。

サーシャ

いえ……

サーシャ

ライルさんがあまりに丁寧だから、身構えちゃうわ。

ポメラ

フフフ、違ぇねぇや。










ライルさんの顔合わせが終わり



ほっと一安心の



ソルフェージュ様とポメラさん。

















旧アインスターク城へ向けて



出発の時が迫ります。



































つづく

【勇者勇の装備】
レベル  :18
めいせい :191
ぶき   :新品の短剣
よろい  :鋼鉄のよろい
かぶと  :銀の額当て
たて   :なし
どうぐ  :野ばらのペンダント
      焼豚×2
      焼きとり×2
      霊薬草×5
      淡水ザメの煮凝り
      淡水ザメの骨
      淡水ザメの牙
      黒王の羽
      いつもの額当て
      王の冠
      カジノコイン×2560
なかま  :泉守ダイ
      もふもふ
とくぎ  :ファイアブレス
      トキシックブレス
      釣り
      カン
      介抱
じょうたい:消えた思い出


【シーラの装備】
レベル  :11
めいせい :230
ぶき   :いつもの本
よろい  :いつもの服
かぶと  :いつもの飾り
たて   :なし
どうぐ  :やくそう×94
      イーサ薬×9
      乗船券×4
      おみやげ×99
      ガラスの破片
なかま  :コボルト
とくぎ  :しょうかん
      値切り
      冷やかし
      虫の知らせ
      ディゾネの思い出
じょうたい:パーティー離脱、疲労(?)

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