ノト(ユウキ)

惑星『マルク』か……






 神様のミライからこの世界について色々教えてもらえた。

 難しい単語が多かったが、この話を俺に伝えたのは、何かしら意図があるのだろう。

 


ノト(ユウキ)

地球もマルクに負けてないぜ

神様・ミライ

ええ、ワタシ地球も気に入ってるわ!

ノト(ユウキ)

だろ?

神様・ミライ

戦争だけは気に入らないけどね

ノト(ユウキ)

うっ!

神様・ミライ

ハハハ! まあいつか無くなるわよ!






……。




ノト(ユウキ)

じゃ、そろそろ

神様・ミライ

そうね、時間を取らせて悪かったわ

ノト(ユウキ)

全くだぜ、この後いくらでも話せるのによ!

神様・ミライ

アハハ!






 そうだ。

 この世界のことでもう少し聞きたいことがあったが、まずはマチを地球へ送る事が先だ。






 ……。

 これで本当にお別れなんだな……。

 


ノト(ユウキ)

あの、神様!

神様・ミライ

何よ? 改まって

ノト(ユウキ)

マチちゃんには黙っててくれないすか? 一緒に行けないって伝えたら『残る』って言いそうだし

神様・ミライ

うん、安心して。 一瞬で向こうに送るから、別れを告げる暇もないわ

ノト(ユウキ)

それはよかった
















ノト(ユウキ)

じゃあ、頼む!

神様・ミライ

ええ……

ノト(ユウキ)

神様・ミライ

ではノトくん、目を閉じてくれる?

ノト(ユウキ)

お……、おう











ノト(ユウキ)

こ、こうか?

































「ええ、そうよ。そのままワタシの言葉を聞いて」












「ねぇ……」





「ん? なんだミライちゃん」




「アンタあの赤髪のこと、どう思ってんのよ?」




「マチちゃん? すっげー優しい娘だと思うよ」




「優しい娘って……出会った時から?」




「そうだな、うん。昔のマチちゃんの記憶はなぜか曖昧なんだけど」




「ふーーーん」




「それがどうした?」




「その、す……き……なの?」




「え?」




「あ、いや! その……、どうなの?」














「うん、好きだよ」




「……。子供とかほしいの?」





「ぐへぇ! いきなりぶっ飛んでんな!」




「だって! 好きってことは、最終的にはそういうことでしょ!?」




「うんまあ、あれだ」





「?」




「今はただ、一緒にいたいって、本当にそう思うよ……」




「……。分かったわ、ありがとう」






「どういたしまして!」


































「……さよなら」



























































なんだよ今の光は! くっそ眩しいし!





神様も芸が達者ですな。




いや、芸が細かいって言った方が良いか。




神谷ユウキ(ノト)

って……あれ?






 目を覚ますと俺は見知らぬ病室にいた。

 体の胸や足に無数の配線がつながれていて、まるで自分が改造されているような感覚になる。

 なぜこんな所に……











「兄貴!」





神谷ユウキ(ノト)

ん?






 今『兄貴』って言ったな。

 確かに俺には『思春期真っ只中、金髪で超グれてる世界一可愛い弟』がいるが、あいつは現在、地球で亡き兄のことを想って真っ当に生きているはずだ。

 そうだ。きっとそうだ。

 まさか、弟まで転生してきてしまったのか。

 じゃあマチの次はお前だ、弟よ。

 すぐに神様に掛け合ってやるからな……。




兄貴!

神谷ユウキ(ノト)

おー、コウタか! よく来たな。早く髪を黒く染めろ

神谷コウタ

……

神谷ユウキ(ノト)

髪を―――で思い出したけど、今神様に会って来たぞ! お前は近づくなよー死んじゃうからな

神谷コウタ

ふー

神谷ユウキ(ノト)

なんだ腹式呼吸か? 数えてあげようか……1……2……3……

神谷コウタ

兄貴!ちょっと待っててな!






ガララッ!!




神谷ユウキ(ノト)

あ、ちょっと……、イテテ! か、体が思うように動かん






 コウタは勢いよくドアを開け、走って出て行ってしまった。

 遠くからだが『母さーん!』と叫んでいた気がする。

まったく、ここは病院だぞ、もうちょっと静かに……。








ん、病院……?




神谷ユウキ(ノト)

あー、そういうこと?





















嘘だろ?
























第二十章 終













次回:最終章 














第二十章『ジャンガジャンガジャンガz……』

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