惑星『マルク』
惑星『マルク』
ワタシが創造したこの星の名である。
特に深い意味はないのだが、水・自然・大地・生命体と、自分好みの世界にして、最終的に『丸く(マルク)』収まればとか思ったのだろう。
実にらしい名前を付けたものだ。
ワタシは当時、この『マルク』の開発を進めていた
まるで機械を作ってるかのような言い方だな……
自分にとって正直、世界を創るってそんな感覚よ
ワタシ、創造オタクだから!
ハイレベル過ぎてついていけないです……
だけど、惑星の寿命とは意外に短いもの。
生物が誕生して、最後を迎えるのと同じように、世界にも一つの終焉……のような現象がある。
徐々に世界は活動を終えようとしていた……。
惑星が死ぬってどういうこと?
停止するのよ
は?
ほら、あなたの地球もゆっくりと一日かけて回っているでしょ? 学校で習わなかった?
あんま詳しくないけどさ、宇宙空間は無重力だからとか、他の惑星の力が働いて的な『アレ』じゃないの!?
ぷっ! 『アレ』って何よ! アハハ!
くっ! 宇宙の真理を知りたいぜ……!
世界は活動を終えると崩壊してしまうの。この惑星で必死に生きている人たちを巻き添えにしてね……
あー、なんかエグいな
宇宙で崩壊し、砕け散った惑星は『ブラックホール』によって掃除される。 跡形も無くなるわけ
全てのモンスターを破壊する!?
え?
いや、どうぞ続けて下さい
ワタシさ、この世界の神様やっててそんなに悪くなかったし、結構気に入ったんだ
良いことじゃんか!
だから、何としてでもマルクの活動を維持させ続けることにしたの
ほうほう、で、何をしたんだ?
この世界を守るために、ワタシは『地球』を創造したわ……
えー!? そこで『地球』が出てくんの!?
ノトくんは『並行世界(パラレルワールド)』っていう概念を知ってる?
色々詰め込んできたな……、漫画とかの設定で多少は……
まあ、いわゆる一つの都市伝説ね、人間が創り出した
つまりどういうことです?
あなたの住んでいる場所と同じような世界が無数にあるという概念よ
でもね、正確には四つなの!
ん? よっつ?
ワタシはね、地球を四つ創ったのよ
……
……
……
……
あー! もう頭がパンクしてるわね!!!
いや、その……
理解できないなら読み飛ばしてもらってもいいのよ?
よみ……とばす!?
簡単よ! マルクを救うために、地球を四つ創ったの!!!
もうそこで意味が分からんもん
ワタシは『地球A・地球B・地球C・地球D』と呼び分けてるわ
何そのAさん、Bさんみたいな
マルクの寿命は近かったの。
ワタシは他の惑星を創って、その星のパワーをマルクに分けてあげられないかを考えた。
そこで思いついたのが、『パワーの均衡した同じような星が複数あれば、その一つ一つの回転エネルギーをマルクに与えられる』というものだった。
そうすれば、マルクは……ワタシの世界はまだ動き続けられる……走り続けられると!
厳密な計算の結果、惑星の数は『四』が妥当であることが分かった。
そして、創造した四つの星を『地球』と名付けた。
大体理解したかしら? これが……
ワタシの一生懸命創ってきた、世界よ!
……
第十九章 終