神様に会うため、俺はティー城の階段を上り歩いている。

 だが、段々と辺り一面、視界が光に包まれていき、まるで夢の中のような空間にいた。

 ゴールが見えないその光の世界は、俺の疲労だけを蓄積させていく。




ノト(ユウキ)

まったく、どれだけ歩けば着くんだよ!

ノト(ユウキ)

あー、足痛い……






























































ノト(ユウキ)

あれ? ここは……?






「ここは神の領域よ!」




ノト(ユウキ)

雲の上……、浮いてる!

神様

初めまして、ノトくん

ノト(ユウキ)

え? 神様か!?

神様

ふふふ、それともユウキくんって呼ぶべきかしら?

ノト(ユウキ)

俺の大好きなその、『全て知ってます』っていう感じ、やっぱりあんた神様なんだな

神様

私を前にしてその台詞、あなたやっぱりノアに似てるわね

ノト(ユウキ)

同じ能力持ってるしな!

神様

その虚無の力はね、私の前に立つ事が出来る『権利』みたいなものなの……

ノト(ユウキ)

へー

神様

他の人なら、あなたがさっき歩いた光の中で力尽きるの……






神様

で、ここにいるってことはノアに通してもらったのね

ノト(ユウキ)

いや、激闘の末……

神様

あーいいそういうの、全部知ってるから

ノト(ユウキ)

……






ノト(ユウキ)

てか神様って、本名が『神様』なん?

神様

いいえ

ノト(ユウキ)

教えてよ、名前!

神様

知ってどうするのって感じだけど、別にいいわよ











神様・ミライ

私は『ミライ』、この世界を創造した者

ノト(ユウキ)

ミライちゃんか! 神様が美少女だったとは……

神様・ミライ

これでも年齢、億は軽く超えているのよ

ノト(ユウキ)

それはそれは、元気で何より

神様・ミライ

世界を創る時はまず、天地開闢(てんちかいびゃく)っていう現象を起こすんだけど……

ノト(ユウキ)

あーもういいっす! 

神様・ミライ

そう言うと思った! あはは!

ノト(ユウキ)

あのー、単刀直入に申し上げますが

神様・ミライ

だから知ってるわよ。帰りたいんでしょ? 地球に……

ノト(ユウキ)

そうっす!

神様・ミライ

いいよ

ノト(ユウキ)

なぜだ!? 俺は絶対帰るぞ!!!






ノト(ユウキ)

あ、あれ?

神様・ミライ

いいよ、地球に送ってあげる

ノト(ユウキ)

ま、まじか!!!

神様・ミライ

うん、あの女だけね☆

ノト(ユウキ)

ええ!?

神様・ミライ

あの赤髪マジでいらないからさ、早く帰ってほしいんだよねー






神様・ミライ

ノトくんは駄目! こっちでアタシの遊び相手になってよ!

ノト(ユウキ)

あ、遊び相手ですか……

神様・ミライ

ほら、アタシの前に来られるのはノアだけだからさ! ノトくんもいてくれたら退屈しないんだ!

ノト(ユウキ)

んー、ミライちゃんは何でマチちゃんが嫌いなんだ?

神様・ミライ

いやー、なぜか見てるとイライラすんのよ、あの目、髪、話し方……全部!

ノト(ユウキ)

単純に見た目、人柄が嫌いってこと?

神様・ミライ

うんそう!

ノト(ユウキ)

目茶苦茶だな……

神様・ミライ

へへ! アタシ神様だし! 常識は通用しません☆

ノト(ユウキ)

……






ノト(ユウキ)

本当に、マチちゃんだけでも……送ってくれるのか?

神様・ミライ

ええ! 神に二言はないわ!

ノト(ユウキ)

……






 元々、地球に帰るという話はマチから始まったことだ。

 この世界で再会した時から、彼女は『帰りたい』と常々言っていた。

 それは、地球に帰らなきゃいけない理由があるということ。

 そういえば男性に告白されたから、返事をしたいと語っていた。

 結局、俺はマチと……。






 ここまで一緒に旅して、色んなこと話して、俺かなり本気になっちゃってたんだけどな……。

 あ、いや、小学生の時からだったか、ストーカーとかもしたし。

 一度リエちゃんに浮気してしまったけど。

 正直、再開するまで忘れてしまっていたけど。






 やっぱり好きなんだな、マチのこと。




ノト(ユウキ)

……











ノト(ユウキ)

分かった、それでいい! それで頼む!

神様・ミライ

……

ノト(ユウキ)

……

神様・ミライ

この話、続ける前にさ……

ノト(ユウキ)

おう

神様・ミライ

アタシが一生懸命創った、この世界のことを聞いて!
















第十八章 終














第十八章『バカヤロー! このやr』

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