メンカクーン

バード家の連中はね、何を考えているのか、勝手にこの森の管理者を名乗っているんだよ。

何に選ばれたわけでもないのにね。

本当に勝ってで困っているんだよ。

カノン

そう……

メンカクーンについていく。

万物の力。

ナタリーの遺言でアタシが封印する力がそこにある。

 

カノン

でも……

万物の力ってなんだろう?

アタシに封印なんて出来るのかな?

メンカクーン

出来るよ。
むしろキミじゃないとできない。

ナタリーの力を強く受け継いでいるキミにやってもらわないと困るんだ。

カノン

え?
アタシの心を読めるの?

メンカクーン

全部じゃないけどね。
万物の力について考えていることなら読めるよ。
僕はそう作られたから。

カノン

…………
ナタリーってすごい力の持ち主だったんだ。

メンカクーン

そう。
それゆえに辛い思いもたくさんしてたよ。

カノン

…………

迷いなく進んでいくメンカクーンについていく。


しばらくすると、どこか遠くで怒鳴り合うような声が聞こえてきた。

カノン

何?

メンカクーン

あれはまたバード家の連中だね。
懲りないなあ。

カノン

あ、あれは……

――――!!

カノン

あの人、ずっと森にいるのかな?

メンカクーン

ほら、行くよ。
バード家なんかに構ってる暇はないからね。

カノン

うん……

メンカクーンについて歩いていく。

あの人から遠ざかる。

でも……
 

カノン

なんだかあの人のことが気になる……

メンカクーン

どうしたの?

カノン

そうか、万物の事以外は考えていることが読めないんだ。

カノン

ううん、なんでもない。

メンカクーン

ならいいけど。
足元気をつけてね。危ないから。

カノン

ありがとう












    

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