家に帰る途中、賢誠を見つけるなり数人の大人が賢誠を取り囲んで心配してくれた。みんな森の中に入るつもりだったようで武装していた。その中には、母である凛の姿もあった。革の胸当てにしっかりとした地下足袋を履いていた。
凛は、無事に帰ってきてくれて良かったと泣きながら賢誠を抱き上げた。
手に持ったご飯とたくさんの魑魅魍魎の核について言及されたが、絶対、誰にも言わないように注意されたので黙秘した。
ただ、河童に連れてかれたあと森を少しさ迷って寝たのは覚えてると答える。嘘を吐いているのが悲しくて泣き出すと、それ以上は何も問われなかった。