気付いたら暗い闇の中に俺はいた。
そこには上下、左右の区別もない。
ただあるのは闇。まさしく深淵。
暗く、暗く、暗く、暗く、ただ暗い。
今の自分が意識を保っていられるのが尋常ではない世界。
このようなことが起きれば自分はたまらず発狂しているだろう。
それでも今、気が狂わないでいるのは一種の自暴自棄だからかもしれない。
ついさっきまでいたはずの屋敷。
中世の魔女、ありえないシリアルキラー、そして化け物。
訳がわからない殺し合いに巻き込まれて、俺は知らない女の子に助けられた。
そう、ただ助けられた。生き残れたのは全て彼女のおかげ。
なのに、なのに俺は理由もなにもかも知らない。全て知らない。
謎は何一つわからない。