俺は真面目に心配されながら教室を出た。
そして、目的の保健室を目指す。
保健室は先生が不在で、俺は勝手に入ってベッドに横になった。
俺は真面目に心配されながら教室を出た。
そして、目的の保健室を目指す。
保健室は先生が不在で、俺は勝手に入ってベッドに横になった。
……ちょっといいかしら
いいですよー。
そろそろ来るころだと思ってましたし
ほどなくしてカーテン越しに俺に話しかける影があった。
俺はこの人を知っている。
ふふ、新しい環境には少しは慣れた?
まだまだ全然なれません
だいぶ、出会ったころとは違うじゃない
まぁ、俺だっていろいろ考えますよ
あなたの行動見てるけど、序列にはやっぱりなじめないみたいね
そりゃね、出鼻くじかれましたし
あー、そうよね。
私てっきり5位以内に来ると思っていたもの
部外者にはこれが精いっぱいっすよ
そう
でも先輩いいんですか?
こんなとこにきて
いいもなにも、私昨日忘れ物しちゃってここに来たのよ。
偶然偶然。
それに私がここにいることみんな知ってるわ
なるほど
今日はすぐに帰るけどね
はい
俺の知ってる先輩よりももっと柔らかくなった声で彼女はためらいがちに言った。
私からのアドバイスだけどね
はい
一条さんってミステリアスでしょう?
一条……
気になっているんでしょう?
まぁ……
私が言うのもなんだけど、あの子、面白いわよ
はぁ
すこし、仲良くなってみてもいいと思うわ
……一条も気になりますけど、俺は少し手札を手に入れる努力をしないと
一条さん。
彼女ってとっても強い手札になると思うわよ
?
先輩は一条のことを知っている風だった。
データ上とかそういう関係性ではない関係性を俺は感じて、不思議に思った。
もしあなたがここで戦っていきたいなら、一条さんのことは三村さんに聞くのね
あいつは一条が不利になるようなことは言いませんよ
どうかしら。
あなたの質問の仕方次第だと思うわ
どうも先輩は一条と俺をくっつけたいらしい
大切な後輩の隣の席の女の子だもの
ロマンス始めたいじゃない?
大切な後輩っていえば、東宮だってそうでしょう?
あの子は私なんていなくても大丈夫よ。
守るべきものをしっかり守れる
俺は心配ですか
当たり前よ、あなたはこの世界は初心者
周りは手ごわい人間ばかり
少しくらいのアドバイスは、この世界に引きずり込んだ人間の優しさよ