週明けの月曜日。
その日は、何事もなく、進んでいた。
何事もないっていうのはまぁ、語弊があるけど、あたしの中じゃ、何もないに等しかった。
普通に授業は受けられたし、普通にトイレにも行けた。
前後で聞こえよがしな陰口は聞こえたけど、かわいいものよ。
黒田君を叩いてから、面と向かって何かを言ってくる人はいなくなった。
だから、少しだけ快適な学園生活が戻って来ていたのだ。
だがしかし、お昼休み終了間近先生に呼ばれて少しだけ、みんなと離れた瞬間、それは起こった。
両手を拘束された状態で、あたしは目の前の男をにらみつける。
というか、暇人か、こいつ。