搬入口から一緒に流れ込んで、聖丘君は緊急処置室へ。
当然、俺達は一緒に居られるわけも無く待合室に。
搬送口から彼を追いかけるように近づいた時に感じた、あの気配。
『優美子さん』のものだった。待合室で待っている間も緊急処置室にずっと気配があった。
神谷さんは俺に声を何度かかけてくれたけど、何を話していたかも覚えていない。それ以外は優しい顔が崩れてしまったように顰めっ面だった。
でも、ただただ待つしか出来ない状況でバイトの時間になってしまい、俺はバイトへ。
俺に何が出来るわけでもないけれど、気になってしまって夜も眠れなかったその翌日だ。