空は闇に覆われている。
夕陽が残していったオレンジ色は
稜線の彼方に消えた。
灰味がかった時計塔も、
白く砂埃が舞う道も、
空と同じ色に染まっている。
時計塔が時を刻む。
一時を告げる鐘が鳴る。
その音に、
屋根の上で羽根を休めていた雀が
舞い上がった。
……何度目、かな
もう
どれが現(うつつ)でどれが夢なのかも
わからなくなってしまった。
もしかしたら
全部、夢なのかもしれない。
……
罰が当たったのだろう。
この国では
古来から間違った行いをすると
神やら仏やらの罰が当たると言う昔話が
それこそ
八百万に相応しいくらい残っている。
きっと今の自分も同じだ。
ご覧になりたいので?
過去に戻りたいなどと
思うこと自体が
自然の摂理から反した行いなのだから
戻りたいのでしょう?
叶わないはずの望みなのだから