空は闇に覆われている。




夕陽が残していったオレンジ色は
稜線の彼方に消えた。



灰味がかった時計塔も、
白く砂埃が舞う道も、

空と同じ色に染まっている。















時計塔が時を刻む。
一時を告げる鐘が鳴る。

その音に、
屋根の上で羽根を休めていた雀が



舞い上がった。






……何度目、かな


もう
どれが現(うつつ)でどれが夢なのかも
わからなくなってしまった。






もしかしたら

全部、夢なのかもしれない。




























……



罰が当たったのだろう。

この国では
古来から間違った行いをすると
神やら仏やらの罰が当たると言う昔話が

それこそ
八百万に相応しいくらい残っている。




きっと今の自分も同じだ。





ご覧になりたいので?











過去に戻りたいなどと
思うこと自体が
自然の摂理から反した行いなのだから




戻りたいのでしょう?



叶わないはずの望みなのだから




……灯里も、木下女史も、関係無い






罰せられるのは
自分ひとりでいい。





【陸ノ壱】十一月六日、三度・壱

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