私の名前は竹内真千(たけうちまち)……。


約七年前、ある理由があってこの小学校に転入しました。


クラスは五年A組、昔から人付き合いが苦手な私は、この集団に馴染めなくて悩んでいました.


でも……、ある事件をきっかけに、私は変われたんです。









先生

では皆さん、さようなら!











「さようなら!」









竹内 真千

はぁ……、やっと今日が終わったわ

あ、あのぉ……

竹内 真千

ひゃい!

あ……ご、ごめん!

竹内 真千

こ、こちらこそごめんなさい! 変な声出しちゃって!

竹内 真千

な、何かご用ですか?

う、うん、その……

今日、日直! 俺たち!

竹内 真千

えっ!?








黒板を見ると、右下辺りに『日直』と書かれ、その隣に私の名前と男の子の名前がありました。


男の子の方は……。







竹内 真千

えっと……、高井颯(たかいはやて)くんでいい?

高井 颯(ハヤテ)

『ハヤテ』でいいよ!

竹内 真千(マチ)

よろしくねハヤテくん。 あ、じゃあ私も『マチ』で!

高井 颯(ハヤテ)

分かった! マチちゃん!

竹内 真千(マチ)

フフフ……




みんなが帰宅、または部活等でいなくなった後、私とハヤテくんは教室の掃除に取り掛かりました。


ハヤテくんはとにかく元気、少し変わった子だけど、彼との会話は楽しかった。


久しぶりに同じ年の子と沢山話した気がします。




高井 颯(ハヤテ)

マチちゃんってなんで転校してきたの?

竹内 真千(マチ)

えーっとね、その……

言いたくなければいいけど?

竹内 真千(マチ)

う、うん……、ごめん










ガララッ!!





突然、教室のドアが勢いよく開きました。







竹内さーん! いるー?

竹内 真千(マチ)

あ、はい!

高井 颯(ハヤテ)

あ……麗奈(れな)!

ちょっと用があるんだけど! いい?

竹内 真千(マチ)

う、うん!








彼女は同じクラスの木下麗奈(きのしたれな)ちゃん。


A組で男子から人気が高く、いつも女子グループの中心にいる人物です。


でも今は……。


クラスで見せる笑顔とは全く違う。


そして、私たちは沈黙のまま、校舎裏へと移動しました。






























人がいない場所まで来ると、木下さんは振り返り、口を開きました。







私、木下だけど知ってる!?

竹内 真千(マチ)

う、うん! クラスで有名人だよ!

木下 麗奈

でしょ? で……、そんな私に対してあなたどういうつもり!?

竹内 真千(マチ)

え? どういうって……

木下 麗奈

私がハヤテくん好きなの知らないの!?

竹内 真千(マチ)

え!?





木下さんはハヤテくんに好意抱いている。


クラスでは噂になっていたのだろうけど、まだ友達がいない私の耳に入るはずもなく……。


今初めて聞いた驚愕の事実に、ただ混乱していました。





木下 麗奈

二人の会話ちょっと聞いてたけどさ! あんたハヤテくん好きでしょ!?

竹内 真千(マチ)

え!?(聞いてたって……)

木下 麗奈

全部お見通しよ! この泥棒猫!!!

竹内 真千(マチ)

泥棒猫って酷いわ! そんなつもりないのに……

木下 麗奈

あなたはもう、私のグループの永久ブラックリスト入りが確定したわ!

竹内 真千(マチ)

そ、そんな……

木下 麗奈

明日からどうなっても知らないから!






ああ……。


多分これが女の嫉妬ってやつだわ……。


小学生ながら恐ろしい……。




竹内 真千(マチ)

私、ハヤテくんに好意とか、そういうことは思ってません! 友達になれればとは思ったけど!

木下 麗奈

ほらね! まずは友達からってことでしょ!?

竹内 真千(マチ)

そ、そんな……
















「え!? 竹内さんってハヤテが好きなの!!!???」









竹内 真千(マチ)

え!?

木下 麗奈

あれ? 他に誰かいた?

ここにいるじゃん!





どこからか聞こえた声の主は、私の後ろにいました。


後方にある自動販売機の陰から、唐突に彼は現れます。




竹内 真千(マチ)

わっ!

木下 麗奈

あ、神谷じゃん! いたの?

神谷

いたよ

神谷

俺、竹内さんのストーカーだし!























第十二章 終










第十二章『ダメよぉ~、ダメd』

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