霊深度
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00
六
怖いよぉ……
毎日怖い人たちに囲まれていろいろ責められるの……変な機械くっつけられて指も自由に動かせないの……
みんな……
あのひと……なんで私にこれを渡したの?
きいてみたいけど……でも……
霊深度
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六
ど う だ?
順調です!
この調子なら明日には研究が終わりそうです!!
ただ、検体がストレスからか多少奇妙な言動を起こすようになってきていますが……どうしましょうか?
続 け ろ
ですが……
ま だ 壊れるまでに時間はある。
明 日 終わるなら問題ないだろう?
……はい
こ れ さえ……
こ れ さえ無事に終われば……
……
……だんまりかよ
……お前は、あいつが何をやっているか、知っているか?
知ってるもなにも、恐喝から誘拐すれすれの案件まで、お前が事細かに告げ口してくれただろうが
そっちじゃない
あいつが「今」やっていることだ
……エグいってことはガキでも想像つくけどな
教えてやろうか? 事細かに
……カガミ、お前が焦る気持ちも分かるけどな、こっちだって協力者に迷惑かけねーように、シドに気づかれないように、密かにコトを進めて……
私があの幽霊を担当している
……は?
拷問まがいのことから並大抵の幽霊なら存在を失いかねないことまで、ありとあらゆることをな。
だから幾らでも教えてやれるぞ?
この休憩後も予定が詰まっているからな
なんで動いちゃいけないの?
っあああああ!!
ごめんなさい……もう、動かないから……だから……もう止めて……
……えっと、今は、たぶん、
生き物の寿命が…… 分かるの
……え、な、何がいるの?
…………ひよこ?
こんなにたくさん……
……
……
……!
待って、なんで向こうから来る人ハサミ持ってるの?
なんで、この中から一匹当てろ、なんて言うの?
や……やだよ……ひよこ、かわいそうじゃないの? なんで……
当てるだけならこんな……最後の一匹になるまで……
おねがい…………
暗いところに独りにしないで……
なんでお前がやってんだよ
私が霊邏技術研究所の技術職員だからだろう?
いや、だからって、なんでわざわざお前に連れて来させただけじゃなくそんなことさせてんだよ! 他の奴なんていくらでもいるだろ
屈服させるため、かもしれないな
もしくは、ただひたすらに私に恨みでもあるのだろう
……恨みでも買ってんのか
そんなことはどうでもいい
弱みを見せるなど、私らしくもない
何の用で掛けてきたか知らないが、私があいつの喉をナイフで掻き切る前に動いてくれ
……怖えー声してんな
言われなくても、あし―ー
何だ?
言われずとも時間までには戻る
……他の奴に任せたら、何をするかわかったものではないからな
……
このひと、本当に私にあの紙をくれた人……?
今は「尖ったものの場所が分かる」のと「近づいたものの味が分かる」気分だから、分からないよ
……考え事をする暇があったら、背と腹を捩じり合わされる覚悟をしておくことだ
……うん
もしかして……二重人格?!