妖精山(ようせいやま)







彼らはここで暮らしているという。



背中に羽を生やし、宙を可憐に舞う。



『妖精』



俺たちはそれに会いに行く。



ノト(ユウキ)

結構歩くなー

マチ

でもやっと見えてきましたね、妖精山!

プリス

へへへ! 楽しみね!

ノト(ユウキ)

てかなんで姫様も一緒なんだっけ?

プリス

ちょっと『妖精王』に用があって、マチさんが妖精山に行くと聞いて、ではご一緒にと思いましてね!

ノト(ユウキ)

マチちゃんとプリスって友人だったのか?

マチ

ええ、私も初めてこの世界に来た時、プリスちゃんに色々お世話になりました

ノト(ユウキ)

へー……

ノト(ユウキ)

てか、妖精に王様がいるのか!?

プリス

あ、この前お伝えした『通り名』ってやつよ!







通り名




この世界の住人は強い能力や活躍をする者に、通り名の勝手な呼び方を付け、何かと格付けしたがる。









復習終わり
















ノト(ユウキ)

でも妖精いないね

プリス

そうですね、もうそろそろ一人くらい、出会えてもおかしくないのに

マチ

ちょっと休憩しましょうか








ひとまず、俺たちはこの辺で休憩することにした。




マチがパンを作ってきてくれたので、俺とプリスは喜んでいただいた。


























てか、どこからか野太い声が聞こえる気が……














おい! 聞こえるか!?

ノト(ユウキ)

ねー、マチちゃんって腹話術とか出来る系?

マチ

ど、どういうことですか……!?

ノト(ユウキ)

俺以外の男性の声が聞こえる気がするんだけど

プリス

実は、わ”だじでじだあ”あ”あ”!!!

ノト(ユウキ)

……

プリス

あ、えーっと……

ノト(ユウキ)

一応俺も芸を少しかじった身、今の空気は許せませんね、プリス姫

プリス

大変失礼いたしました……











「ゴホンッ!!!」








ノト(ユウキ)

ゴッホ!?

プリス

ブッ!!! 

プリス

ガハハハハハハハ!!!!! ゴッホって何よ!!!

マチ

ガハハハって……

ノト(ユウキ)

やっぱりそこにいるな、誰だ?
















ったく、さっさと登場させてくれよ!

ノト(ユウキ)

あ、あんたは……










それは一瞬で自分たちと違う生物だと認識させた。



身長は15㎝くらいだろうか、小さいおっさんが羽を生やして俺の目の前を飛んでいる。








マチ

あなたが、妖精?

そうだよ、『妖精王』で分かるかな?

ノト(ユウキ)

あ、あなたが妖精王!?

プリス

久しぶり、妖精王・牛島(ようせいおう・うしじま)さん!













な、なんということだ!



妖精王・牛島さんだと!



その神がかっているネーミングに俺は度肝を抜かれた。








妖精王・牛島

久しぶりだな、プリス姫。 俺に用だったか?

プリス

ええ! 

プリス

妖精石ちょーだい!

ノト(ユウキ)

!?

マチ

あれ……!?
















第六章 終












第六章『なぁぁぁぁぁぁにぃぃぃぃぃぃ!? やっちx』

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