放課後になり麗花の家へ連れられて、俺は呆然とするほかなかった。
ようこそ、麗花の屋敷へ
…………
放課後になり麗花の家へ連れられて、俺は呆然とするほかなかった。
うわ、ほんとマジじゃん!マジの金持ち!
しっ、騒ぐな。いいか玄関を開けたら、部屋に着くまで桜子らしくしてろ
おおおう、わりぃ気を付ける
ただいま帰りましたわ!
麗花は玄関を開けた。
開けてすぐに年配の女性が一人立っていた。
おかえりなさいませ、麗花様。
…あら、今日はお友達も一緒なんですね
ええ。わたくしの部屋で今日は遊びますのよ。構わないでしょう?
もちろんです。あとでお茶菓子をお持ちいたしますね
ありがとう
麗花は俺の袖を引っ張った。
じゃ、部屋まで案内するから来い
うん。お、お邪魔しまーす…
ここが麗花の部屋だ。――まぁその辺に座ってくつろげ。メイドが菓子を待ってきて帰ったら早速その本を読もうじゃないか
逆に豪華すぎてくつろげないんだが…
ってかやっぱりさっきのはメイドってやつか!!
みたいだな。この家は家政婦を何人か雇っているみたいでな。あとは専属料理人や家庭教師だとかもいたぞ
くそう…転生先が違うだけでこうも身分の差が……
おかげで僕は優雅なを送らせてもらってるよ
羨ましい限りだな、ほんと
僕らから見ればな。ただ麗花本人からしたらそうでないかもしれん
え、どうして?
僕が転生してから――一度も麗花の両親を見ていない
あぁ……そうか
麗花お嬢様。お茶菓子お持ちいたしました
どうぞ
失礼します
メイドは扉を開け、テーブルの上に俺たちの分のケーキと紅茶を置いた。
わざわざありがとう。ご苦労様
いえ。ごゆっくり
メイドは優しく微笑んで、ゆっくりと扉を閉めた。
……よし、行ったな。じゃあ本を……
うめー!ケーキなんて久々に食うぜ!
おい、桜子。本を……
…ん?なんだお前、ケーキ食べないのか?じゃ、代わりに俺が食べてやるよ
あー!?僕のイチゴをっ!?
許さん!!吐け、今すぐ返せー!!