おはよう。


また来たよ。


...遅いって?


冗談はよしてくれ。まだ、朝の10時じゃないか。


ああ、そういえば君はすごく早起き者だったね。


僕はどちらかというと夜型だからなぁ。



...これでも、急いできたんだ。


許してくれ。


















































...甘いにおいがするって?


ああ、そうそう、約束どおりクッキーを焼いてきたんだ。


君は甘いものが苦手なくせに僕のクッキーだけは美味しそうにたべるんだから、






本当、参ってしまうよ。











































...ん?ああ、今日はね、少し昔話でもしようかと思って。


昨日ふと、君が花屋さんになりたいといっていたのを思い出したからさ。


君はアレルギーを持っているのに、花屋なんて大丈夫なのかい? と僕がたずねたら、












お花屋さんの花はね、そういう人たちにも大丈夫なようにしてあるんだよ!

___って、


自慢げに話してくれていたのを覚えているよ。








































店の設計図を話し合ったこともあったね。


花屋さんは一階で、二階がお菓子屋さん。そしてお客様第一号は僕って。


僕も何かすることはないかい? ってきいたら、少し悩んだ後君は、ピアノを弾いてほしいといったね。





...そういえばピアノの練習、しばらくさぼってしまっていたなぁ。


君が店を建てる前にはピアノ、弾けるようになるかなぁ。








































君は今も花屋さんになる為に練習を続けているんだってね。


凄いなぁ。僕なんかすぐに面倒くさくなってやめてしまうよ。


最近はバラを作っているのだろう?








...あまり僕は、君にバラを作ってほしくはない
なぁ、なんて。






___いやいや、君の作るバラは素晴らしいよ。


素人とは思えないぐらい綺麗だし。





...けど、君と会うたびに君の腕に傷が増えていくと思うと、
























___どうしようもなく、胸が苦しくなるんだ。










































__ああ、そろそろ良い子は帰る時間だね。


そういうと君は決まって、









私は悪い子だ!

__といって笑っていたね。


でも僕は良い子だから、


そろそろ、帰ることにするよ。










































ああ、そうそう。今日も花を持ってきたんだ。


今日はトリトマとナンテン。


毎回君に花を買っていくものだから、近所の花屋と知り合いになってしまいそうだよ。


人と話すのは少し苦手だからなぁ。




__君となら、いつまでも話していたいと思っているけどね?




























































じゃあ、そろそろ本当にばいばいだね。








...またそんな顔をしてるのかい?


君は本当に心配症だなぁ。






























大丈夫。







大丈夫。























明日また、必ずくるよ。





















































........動かないカカシ。

































....急にどうしたのかって?








いや、なんでもないよ。


























....じゃあ、また明日。












pagetop