ねぇ犬。
どうしたにんげん。
お母さんはさ、胸が大きいしいっぱいあるよね。
あるな。
お乳もいっぱい出るよね。
出るな。森の兄弟皆の食事だ。
私もそのうちあんなになるのかな?
……ならないと思うぞ。
えー、なんでー。
私も兄弟なのにー。
お前は俺が拾った子だからな……それに魚の姉だって、獅子鷲の姉だって、鯱の姉だって胸は一つで乳は出ない。
むー。
不満そうだがしかたないんだぞ。お母さんが特別なんだ。
私も犬にお乳上げてみたかった……。
それはありがたいが俺が腹いっぱいになるほどにんげんから吸ったらにんげんはカラカラに干からびるな。
ひぇっ。やっぱ吸っちゃダメ!
ううん、いいけどちょっとだけ!
大丈夫だよにんげん。
そんなひどい事はしないから。
ホント?
ああ、俺はお前に嘘なんてつかないよ。
ホントのホント?
……冗談は言うかもな。
むむー。