待ちに待った給食の時間。
みんなはトレイを手に持って一列に並び、給食係の人たちは配膳台の後ろに立ち、各々の担当する料理を皿によそって、おぼんの上へのせていく。
待ちに待った給食の時間。
みんなはトレイを手に持って一列に並び、給食係の人たちは配膳台の後ろに立ち、各々の担当する料理を皿によそって、おぼんの上へのせていく。
お!今日はカレーか!給食のカレーって甘いけどすげぇうまいよなぁ……!
むしろ給食は全部うまい。卒業してから食べる機会がめっきりなくなって、給食のありがたさを痛感したものだ。
ついに俺の順番が回ってきた。トレイの上にカレーが置かれる――って、ちょっと待て。
俺のカレーだけすっくなくねぇ!?
思わず大声をあげてしまうと周りから驚きの視線わ一気に向けられた。
しかし、俺はこんなこと気にしている場合ではない。
俺の前に並んでいる男子のカレーと俺のカレーとじゃ明らかに量が違う。
なんでコイツのだけ多くてわたしのが少ないの!?不平等よ!
口調に注意しつつ抗議すると、カレー担当の給食係の子は困惑した様子で、
だ…だって桜子ちゃん、すぐお腹いっぱいになっちゃうから少なくていいって言ってたから……。それに、それ男子の量だよ……?
と言った。
そうだった……。今俺は女子小学生…
量が違うのは当然である。
ごめんね。でも今日はお腹ペコペコだから、もう少し欲しいな~?
その子は不思議そうに俺を見ながら多くよそってくれた。
おーい桜子!一緒に食べようよ!
朝の女子グループの一人は、俺の席を中心に四角く机を人数分並べ、待っていた。
このクラスは、班ごとに食べるわけじゃなく、自由なのか。
俺は何気なく、城ヶ崎の方を見た。案の定誰とも机をくっつけずに一人だった。
ごめん!今日はわたし抜きで食べててくれ!
そう言って俺は、城ヶ崎に近くの机に給食を置き、向かい合わせに机をくっつける。
一緒に食べよ
……っ!
全員の給食は配られ、給食係は教卓の前に立ち、「いただきます」の挨拶をする。
その後に続いて、みんなも挨拶をしてお喋りをしながら給食を食べ始めた。
いっただきまーす!
桜子ちゃん……
ほら、お前も…じょ、城ヶ崎も食べろ!早く食べないと冷めるぞ!
……はいっ!
城ヶ崎は笑顔になり、カレーを一口食べた。
というか……城ヶ崎呼びなんだ…
呟きが聞こえ、俺は慌てて、
ちっ、違う!れいなちゃん!
?れいかですわ
そ…そう、れいか……麗花ちゃん
そりゃ友達なんだから大抵は下の名前呼びだよなぁと反省しつつ、(俺はあまり呼び名は気にしないタイプなのだ)カレーを食べる。
ふふ……。ありがとう、桜子ちゃん
俺は、そんな城ヶ崎の笑顔を見て少し安心した。