久々に全力で走った俺は教室へ着くなり倒れ込むようにして四つん這いになり、肩で息をする。
くそう、体力は若くなったわけじゃないのか……。それとも元々なのか……。
到着しましたわ!
ぜぇ……はぁ……
久々に全力で走った俺は教室へ着くなり倒れ込むようにして四つん這いになり、肩で息をする。
くそう、体力は若くなったわけじゃないのか……。それとも元々なのか……。
……あら。桜子ちゃん別に日直ではありませんわよ?
怪訝そうな顔を向けられる。
俺は黒板を見ると、確かにち違う奴の名前が書いてあった。
あ……あはは勘違いしてた
そう。勘違いは良くあることですわ
素直な奴で良かった……
俺は立ち上がり、自分の席を探す。
所々席が空いていて、どれが誰の席だか全く分からない。
桜子ちゃん、こっちこっち!
突然手を引かれ、俺は一番窓側の後ろに集まる三人の女子グループの輪に入れられた。
もー桜子ちゃん、何ぼーっとしてるの。桜子ちゃんの席ここでしょ~
別の子が笑いながらそう言う。
俺、窓側の一番後ろの席なのかよ。超いい席じゃねぇか!
心の中でガッツポーズをとっていると、続いて三人目が小声で、
……ってか、また城ヶ崎に振り回されてたの?
そんなことを聞いてきた。
えっと……またって……?
ちょっ、やめなって。桜子優しいんだから、嫌なことされたところで何も言わないよ
そうそう。でもほんと、桜子もあんなお嬢様なんか気にすることないよ!いつでもわたしたち友達だもん!
どうやらあのツインテちゃんは城ヶ崎というらしい。
しかしあまり良く思われていないようだった。
なんかやだなぁ……。こういう感じ
ふと教室を見渡すと、城ヶ崎の姿はなかった。
……
もう周りの女子達はドラマの話で盛り上がっている。なんのドラマかは知らないが、話を聞いていると
恋愛ドラマのようだった。
ね!あの人かっこいいよね!桜子もそう思うでしょ?
あぁ…うん……。
正直俺はそんな奴知らなかったのだが適当に返事をした。
なんとなく相槌をうちながら、この女子トークの時間を過ごしていった。
朝の出席確認の時に彼女――城ヶ崎の下の名前が『
麗花』だと知った。
じょうがさき…れいか…
俺は口の中で彼女の名前を反芻すろ。
十八年ぶりの小学校の授業は懐かしい気分に浸れただけで特に問題はなかった。
まぁたかが小四の授業だもんな……
そんなことよりも、城ヶ崎のことの方が気になる。
城ヶ崎は授業中も、休み時間もずっと独りで席についていた。
……よしっ
四時間が終わり、いよいよ待ちに待った給食の時間がきた。