深夜三時。
あれから店も閉めず、ぼんやりと過ごしていた。
ダイゴはやたら眠たそうにしていたので帰宅させた。
今は一人。
ほぼ無意識に煙草を吸い、ビールを流し込む動作を繰り返していた。
まるで壊れた玩具のように…。
一体、自分は何なんだろうか?
夢を棄て、全てを無くし、まともな職にも就かず
最終的に小さなBARのマスターとなった…。
気怠い毎日。
不安定な思考。
そして孤独。
それは煙草の煙と共に天井へ静かに舞い上がっては消える。さすがに吸い過ぎたのか煙草はもう残り一本になっていた。
これもいつもの事だ。
煙草を買う為に店を閉めてそのまま家に帰る。
家と言っても古い木造アパートに一人。
ダイゴという理解者がいる事を除けば、店にいる事となんら変わりはない。
しかし一人でもそう言う人間がいる事は、
唯一の救いなのかもしれない。
もし、それすら存在しなかったら…?