鮫野木淳(サメノギジュン)が住んでいる街には廃墟がある。丘の頂上、木々に囲まれ一軒家が朽ち果てている。
子供の頃は魔女が住んでいると我ながら、カワイイ勘違いをしていた。流石にもう高2だ、おとぎ話は信じちゃいない。今では廃墟に興味を持っている。元々人が住んでいた生活感が残っている感じが好きだ。
かといって、廃墟に入りたいとは思わない。理由? 理由は2つある。
1つ、効率的ではない。
俺は世間的にオタクだ。アニメや漫画、日本が産んだサブカルチャーを愛している。故に俺は廃墟とか、非日常な場所は大好物だ。しかし、わざわざ廃墟に行いかなくても画像、動画で十分楽しめている。
確かに、現場じゃないと味わえない臨場感があるかも知れないけれど、現実、交通費とかかかるし、法律的にどうなのよ。
2つ、ビビリ······だから。
正直に言うぞ、俺はビビリだ。俺は臆病者だ。自分を偽って生活する······。おっと今は関係ないか、忘れてくれ。完結に言おう。怖いか行きたくないだけさ。
最後に1つ、こんな噂を知っているか?