ダナンを先頭に歩くハル達。その視線の先には、僅かにだが高い城壁に囲まれた城が見て取れた。
おい、あれじゃぁないか。
すげぇ小さくて見えにくいが、
ディープスだろ。
ダナンを先頭に歩くハル達。その視線の先には、僅かにだが高い城壁に囲まれた城が見て取れた。
おおおおおお!
あれがディープスっすか?
って、ハル、
全然違う方向見てるわよ。
なんであんな岩と
城塞都市を
見間違えるのよ。
俺は、全く見えないぞ。
ダナンのすぐ後ろを歩くリュウには、ディープスの遠景どころか殆ど何も見えていない。いつものほんわかした雰囲気は、目的地を前にした時も変わらなかった。
間違い御座いません。
彼方に臨むは
城塞都市ディープスに
違いありません。
同じ目的地を目指す商人は、ディープスに何度も訪れている。その確証の言葉は、ハル達を高揚させた。
え?
……驚いたわ。
ディープスの周辺は
砂漠になってるのね。
誰もが初めは驚かれます。
ディープス周辺は砂漠地帯なのです。
小高い丘から広がるディープスの外観。高い城壁もさることながら、周辺の砂漠に目がいってしまう。砂漠の砂は深いものではなく、街道は狭くはなっているがディープスまで続いている。
うおっし!
もうちょいだ。
元気出てきたぜ。
意外にちっこい城っすね。
だな。俺の方が
でかいんじゃないか?
ぎゃははははは。
ほ、本当っすか?
もうハルったら~
それはないでしょ。
草の生えぬ地に足を踏み入れる。砂漠の街道は砂を表面にのせており、ジャリジャリとした感覚が足を伝わってくる。乾いた風が吹けば、その砂は宙を舞った。そして人の流れに沿い城門前まで辿り着く。
…………おおぅ
…………。
ぅゎぁ~。
先ほどの軽口はどこえやら。圧倒的な城壁の高さを、天でも見上げる様に仰ぐハル達。城塞都市ディープスを初めて体感する場所である。小高い丘から見下ろす遠景ではなく、圧倒的に迫る城壁。ただそれだけで身が縮こまりそうな迫力だ。
おいおい、誰だちっこいなんて
言ってた奴は。
すげぇ。なんでこんなもん
造れんだ。飽きれるぜ。
……想像以上ね。
まぁ、私の目的は
この城壁でなくてこの内側。
それが大事なのよ。
ユフィは足が止まっていたハル達の前に出た。ディープスの城門は開かれている。商人が言うには夜間以外の通行は、特に不審がなければ自由らしい。
あ……、門番の兵士さん達が
集まってきてない?
お!? ホントだ。
真ん中にちょっと
変わった奴がいるぞ。
あちこちに古傷がある若い男だった。門兵に次々と質問されて男は口を開く。
道、あけ……ろ……。
その門兵に囲まれた男は、片言しか話せないらしい。遠方に住む異民族なのだろうか。不審を感じた門兵はさらに質問を続ける。
ど……、け。
イライラしているのか、片言の口調は怒気を帯びている。
おうおう、往来で
固まってんなよ。
邪魔だろうが。
傷だらけの男の後ろから、ダナンが意見する。
ぐぽぉっ!!
え!
ダ、ダナンさん!?
……。
傷だらけの男が俊敏な動きで蹴りを放った。その動きは『技』というより『野生』を感じさせる。大男であるダナンの体は、くの字になり後退させられる。
それを見て、門兵が傷だらけの男に対して身構えた。
更新お疲れ様です!
ディープス、到着しましたね〜♬
傷だらけの男、なんだか、気になります...
毎回、最後のイラストで最後の最後に癒されます(≧∀≦)
次回も楽しみにしてますね!
コメント先越されましたぁ。早速の感想ありがとうございます♪
そうです。やっと到着しました。
物語の舞台にようやく登る事が出来ました。イラストも楽しみにして頂けると嬉しい限りです。
今回の新キャライラストに、私も感動しました。野生児でありながら、自然にファッショナブル。たまらんす。イラストに負けない話を作っていきたいものです。