そう言って小岩くんはトランプの山の真ん中を抜いて上に重ねていきます。よく見る普通の切り方に見えました。

　そう言って小岩くんは山をひっくり返してカードの数字が書かれた方を私に見せてくれました。そこには。

　動かない山の一番下はＫが集まっていたのです。

　私に説明するように小岩くんが最後の一回をゆっくりと実演してくれます。指で四枚のカードを押して、カードを切る手の人差し指で押さえます。そして上のカードとともに引き抜き、カードを切りながら、四枚のＫを山の一番上に乗せました。

　小岩くんはわざとわかるように数字を表にして五枚組を作っていきます。そしてＫのフォーカードの組と役なしの三組が机に並びました。

　そう言って小岩くんは私に視線を投げました。二つ選べ、ということだと思うのですが、それよりも男の子に近くで見つめられたことに焦ってしまいます。

　当然Ｋの組ともう一つを選びます。当然Ｋはゲームから外れて。

　そう言って小岩くんは私が選んでいない二つの組を取って机の端に移動させました。

　そう言われてみると、私が武田くんと勝負したときに選んだ方を外したか選ばれなかった方を外したのか思い出せません。