全員が一度に会した食事の後、

皆さんはまるで打ち合わせたかのように

自室に戻ってしまった。

それはまるで急いでるようにも見えた。

それにしても

こんなに廊下長かったっけ?

私の部屋は食堂を出た右の階段をのぼって

左の三番目の部屋だったはずだ。

それなのにいまだ二番目の部屋すら見えない。

まるでそれは出口のない迷宮。

おやおや、女性が一人とは、

、、!



後ろから聞こえる声に身を震わせ振り返る。

殺人鬼がいるかもしれません。

私が部屋まで送りましょう。

グリシャ、、さん?

後ろから現れたのはグリシャだった。

ひとりでは不安だったが、グリシャが殺人鬼ではないという保証はない。

グリシャさんはどちらへ?

少しばかり見回りをですね。

それよりも気づかれましたか?
この屋敷の異変に。

どうやら、グリシャも気づいていたらしい。

この屋敷の圧倒的な違和感、異質さに。

私も気づきました、、
廊下がとても、、長いんです。

それだけではありません。
道の広さ、部屋の数など多くの物が変化しています。

いえ、これは屋敷自体が変わったのでしょうね。

あのお方も本気のようだ。
楽しくなってきましたね。

グリシャさん、、、?

私はあれに魅入られて以来探し求めてきた。
そしてそれを手に入れる機会が巡って来た。

ああッ!!なんという幸運ッ!!
まさしく運命、宿命!!

ッ!!

わかってしまう。

だめだ。
この人はダメだ。
全身からでる危険信号。
逃げなくては。

そう感じた私はいち早く逃げ出した。

やれやれ、逃げられてしまいました。

やれやれじゃ、ないんですけど

せっかくの狩りなのに、、、

まあまあ。
けれども、あなたなら余裕でしょう?
ジャック。

いいえ、
切り裂きジャック≪ジャック・ザ・リッパ―≫

ああ。

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