それはある日の朝のことだった。
キララたち3人のところへ
サユリがやってくる。
ただ、彼女はなぜか元気がない様子だ。
それはある日の朝のことだった。
キララたち3人のところへ
サユリがやってくる。
ただ、彼女はなぜか元気がない様子だ。
はぅう……。
みなさ~ん、
助けてくださいぃ~!
キララ、
今日は商店街の中華料理屋で
ピータンが特売だって。
知ってるぜっ!
隣の八百屋は便乗して
ピーマンの
特売をするってこともな。
…………。
ピータン! ピータン!
そんなにピータンが
好きなのかよ?
そんなに好きじゃない。
っていうか食べたことない。
じゃ、なんでその話題を
出したっ!?
ねぇ、なんで出したっ?
永遠の謎。
学園七不思議のひとつかも。
んなわけ
あるかぁ~っ!
アリス~、
相変わらず
ツッコミがキレッキレだな!
あんたたち……
相変わらずサユリを
スルーするのね……。
スルーする――。
そのダジャレ、0点。
むしろマイナスだろ。
ピーマンと野菜つながりで
マイ茄子ってな。
あはははっ!
キララ、すごくつまらない!
今すぐこの世から消滅して!
…………。
こんな世の中、
滅びちゃえばいいんだっ!
滅滅滅滅滅滅滅滅……。
相変わらず、こわっ!
――れてるっ♪
こわっ――れてるっ♪
なるほど『壊れてる』か。
確かにな。
キララ、シャム!
いい加減にしなさいよっ!
冗談だよ。
そんなに怒るな。
いつものスキンシップじゃねーか。
そうそう。
ったくもう……。
んで、サユリ。
どうしたんだよ?
遠慮なく言ってみ?
実は父が過労で倒れまして、
数日ほど入院することに
なったんです。
なんだよ、
ガチでマジな話か……。
私の家は牛乳などの
販売と配達をしているんです。
そのセールスをしなければ
ならないんですけど、
人手が足りなくて……。
バイトを雇うにも
期間が短すぎるしね……。
だから皆さん、
手伝っていただけませんかっ?
つまりあたしらに
セールスガールをしろってのか?
はい……。
でもダメって言うんですよね……。
バカか?
そういうマジな時は
ふざけねーよ!
手伝ってやるっ!
えっ?
困った時はお互い様っ!
任せろっ!
キララさん……シャムさん……。
ふたりはなんだかんだで
優しいもんね?
素直じゃないだけだもんね?
う、うるせー。
黙れ、こわっぱぁ!
サユリ!
もちろん、わたしもオーケーだよ♪
ありがとうございますっ!
皆さんっ!!
では仕事について、
詳しく説明をしますね――
こうしてキララたちはサユリの家の
牛乳販売店を手伝うことになった。
仕事の内容は各担当地区を訪問し、
牛乳や乳酸菌入り飲料などを販売すること。
そのほか、サンプルとチラシを配布して
定期購入契約を結ぶこともする。
いわゆるセールスの仕事だ。
このあとサユリは仕事内容の説明のほか、
バイト代などの諸条件なども話し、
キララたちはそれを理解して同意した。
そして次の土曜日の朝――
では、今日はお願いします。
新規の契約を取れれば
最高ですけど、
そこまでは望んでいません。
担当地域を訪問して、
契約しているオフィスや世帯で
乳酸菌入り飲料などを
販売してきてください。
任せておけっ!
新規契約も取ってきてやる。
なんとかやってみる。
販売ノルマだけは
達成できるようにするね。
では、終わったら
戻ってきてくださいね。
キララたちは配達で使う自転車に
商品やチラシなどを積み込み、
それぞれ担当地域へ向かっていった。
サユリはその姿を見送ってから
店で事務の仕事を始めたのだった。
――果たして、
セールスはうまくいくのだろうか?
To be continued……