くかー
……くん。
うぅん……。
……勇くん。
もう少し寝かせてくれよぉ……。
起きて、勇くん。
ん……。
やっと目をさましてくれたのね。
……シーラ。
目を開けると
そこは見慣れた我が家の
ベッドの上でした。
虚実
もう、全然起きないんだから……。
あぁ、ゴメンゴメン。
ちょっと疲れが溜まっていて……。
……あれ？
何に疲れてるんだっけ？
そうだよね……。
勇くんはみんなの勇者だもんね……。
……。
そう話すシーラさんの顔は
どことなく辛そうです。
ねぇ、勇くん覚えてる？
何がだい？
二人でアロース岬へ行ったことの事。
空気を変えるかのように、
シーラさんは唐突に切り出します。
ああ、覚えてるよ。
お父様に内緒で行ったから、帰ったら二人共怒られちゃったよね。
懐かしいなぁ……。
あそこに咲いていたお花、とても綺麗だったよね。
そうだね、とてもきれいなウスティウムだったね。
咲いていたのはアルザリリィよ。
あれ？そうだっけ？
……忘れちゃったの？
ご……ごめん。
もしかしたら……もう……。
勇者様の反応に
シーラさんの表情はさらに曇ります。
……どうかしたのかい？
シーラ……。
ううん、何でもない。
何でもなくないよ、シーラ。
教えてくれ、何があったんだい？
……何もないよ……。
勇くんが助けてくれた時から。
……ずっと。
……なら、どうしてそんなに辛そうなんだい？
……勇くんの……
勇くんのバカ！！！
え！？
……お願いだから、私の事忘れないでね！
それから……
できるだけ早く……。
シーラ……
早く……帰ってきてね……。
シーラッ！？
ミ・ナ・オ・レ・ノ・モ……
う……
うわあああ！！！
もふもふ！もふもふ！
ハッ！
もふぅ……。
夢か……。
夢にうなされていた勇者様。
もふもふさんに揺り起こされ
目を覚まします。
嬉しさ。
悲しさ。
楽しさ。
つらさ。
恐ろしさ。
起き抜けの勇者様の心の中は
複雑な感情でいっぱいです。
涙が止まらないや……。
歯止めの効かない感情に
勇者様自身が戸惑います。
……あれ。
ふと、夢の内容を思い出そうとした勇者様。
どんな夢を見たんだっけ……。
……しかし、
どんなに思い出そうとしても
思い出せません。
スゴく嫌な感じの夢だったのは覚えているんだけど……。
まぁ、夢なんてそんなもんか……。
……三日月が綺麗だな。
夜空を見上げる勇者様。
雲の少ない夜空は
月の光を遮ることなく
あたりを照らします。
何かを伝えるかのように。
皓々《こうこう》と。
皓々と。
つづく
【勇者勇の装備】
レベル ：18
めいせい ：186
ぶき ：なし
よろい ：なし
かぶと ：銀の額当て
たて ：なし
どうぐ ：野ばらのペンダント
焼豚×2
焼きとり×2
霊薬草×5
淡水ザメの煮凝り
淡水ザメの骨
淡水ザメの牙
黒王の羽
なかま ：泉守ダイ
もふもふ
とくぎ ：ファイアブレス
トキシックブレス
釣り
カン
介抱
じょうたい：軽装、消えた思い出
あずかりじょ：
新品の短剣
鋼鉄のよろい
いつもの額当て
王の冠
カジノコイン×2560
【シーラの装備】
レベル ：11
めいせい ：230
ぶき ：いつもの本
よろい ：いつもの服
かぶと ：いつもの飾り
たて ：なし
どうぐ ：やくそう×94
イーサ薬×9
乗船券×4
おみやげ×99
ガラスの破片
なかま ：戦士ポメラ
大魔導ソルフェージュ
コボルト
とくぎ ：しょうかん
値切り
冷やかし
虫の知らせ
ディゾネの思い出
じょうたい：パーティーリーダー
