* * *

樹海 サラ=バ
フローラの泉

* * *













泉の精フローラ

あら?







ガラ

……。






泉の精フローラ

ガラ。

ガラ

おお、フローラ。
いつからそこに?

泉の精フローラ

……少し前かしら?

泉の精フローラ

今日は随分とダイの事が気になるようね。

ガラ

おっと、顔に出てしまっていたかな?

泉の精フローラ

ふふふ、ガラの考えそうな事は
なんでも分かるつもりよ。

ガラ

まいったな……。

泉の精フローラ

大丈夫よ、ガラ。
ダイはアナタと私の子よ。
どんな苦難でも乗り越えられるわ。

ガラ

ああ、そのつもりだからこそ
送り出したんだ。
……ただ……。

泉の精フローラ

ただ?

ガラ

ダイは1人で居すぎた。
人間社会の生活との泉守の生活の
ギャップに苦しまなければいいが……。

泉の精フローラ

心配性ね、ガラは。

泉の精フローラ

安心して。
それも踏まえて大丈夫だと
私は思っているわ。

ガラ

ふふふ……。
君は強いな、フローラ。






















夫婦と心得




















ラムディッシュさんと共に


フラフラと歩くことしばらく、


1件の建物が見えてきました。

ラムディッシュ

ここだよ、勇者様。
ありがとな。

勇者

ふぇぇ……、無事つけた。





ラムディッシュ

ちょっと待っててくれ、家内に話してくる。

勇者

あ、ラムディッシュさん、
そこは……!

ラムディッシュ

いてぇ!

勇者

そこは壁みたいですよ……。
入り口は多分こっち……。

ラムディッシュ

おう、悪いな勇者様。



勇者様に入り口へ案内されて


家の中へと消えていくラムディッシュさん。


勇者様はその後ろ姿を不安そうに眺めます。




勇者

大丈夫かなぁ……。

ダイ

どうだろうねぇ……。




アンタ!!
また昼間から飲んだくれてたね!

ひぃぃ!!
すまねぇ、かあちゃん!!!












勇者

う……うひぃ……。
何かが飛んでいったぞ……。

勇者

こりゃ~時間かかるかもなぁ……。

ダイ

……勇者様。

勇者

ん、どうした、ダイ。

ダイ

その……






何やら思い詰めたような表情のダイさん。



しばらくの沈黙ののち、口を開きます。



ダイ

俺、外で待ってるから
勇者様はラムディッシュさん家で
ゆっくり休んでくれよ。

勇者

え?どうして?

ダイ

……。

ダイ

俺のことは気にしないでいいからさ!

勇者

……。

勇者

ダイ……。
無理にとは言わないけど、
何か思うことがあるなら言ってくれないか?

ダイ

え?

勇者

この旅まだまだ先が長いんだ。
今からそんな感情を押し込めたり
無理をするのは勧められない。

ダイ

!!!

勇者

ただ、急に自分を変えるのは無理だと思うから、少し時間を取って気持ちを整理してみよう。

ダイ

……。





勇者様の言葉に、


ダイさんはうつむき


再び黙ってしまいました。






程なくして、ダイさんは顔を上げて


口を開くと心の中を話し出しました。


ダイ

……うん……。

ダイ

……実を言うと、人の家ってあんまり入りたくないんだ……。森の奥で暮らしてたからさ……。

勇者

なるほど……。そうなのか。

ダイ

……。

勇者

……。

勇者

よし。

勇者

じゃあ、俺も今夜は外で寝ようかな?

ダイ

ええ!?











家の中の騒動が治まると


玄関からラムディッシュさんが


勇者様達を招き入れようと出てきました。






ラムディッシュ

え?庭で寝る?
なんでそんな……。

勇者

ちょっと、このダイに夜営の手ほどきをしたくて……。

ダイ

ごめんなさい、ラムディッシュさん。

ラムディッシュ

頼むよ、勇者様……。
今はかあちゃ……
家内と二人っきりの空気に耐えられないんだよ……。

勇者

……えっと、
きっと今日はラムディッシュさんが
奥様とちゃんと話したほうが
いいと思いますよ?

ラムディッシュ

うう〜〜ん……。





勇者様に諭されたラムディッシュさん。


重い足取りで


家の中へと戻っていきます。





どうやら酔いはすっかり醒めたようです。


















……その夜。





勇者様とダイさんは


夜営の支度を終え


あとは寝るだけとなりました。





寝袋にくるまり夜空を見上げる二人。






勇者

今日は月が綺麗だな……。

ダイ

そうだね、勇者様。

勇者

なあ、ダイ。
これから旅は過酷さを増していく。

ダイ

うん。

勇者

こうやってしっかりと睡眠を取ることも難しくなるかもしれない。

ダイ

うん……。

勇者

だからこそ、休める時は休むことに集中しないと……ね……。

ダイ

わかったよ、勇者様。

勇者

くかー……

ダイ

もう寝たの?勇者様!

勇者

くかー……

ダイ

休む時は休むことに集中する……。
流石だなぁ……。






ダイ

……。






1人夜空の月を眺める


ダイさん。




ダイ

ごめんなさい、勇者様……。

ダイ

……俺……少しだけ、嘘を……





































つづく

【勇者勇の装備】
レベル  :18
めいせい :186
ぶき   :なし
よろい  :なし
かぶと  :銀の額当て
たて   :なし
どうぐ  :野ばらのペンダント
      焼豚×2
      焼きとり×2
      霊薬草×5
      淡水ザメの煮凝り
      淡水ザメの骨
      淡水ザメの牙
      黒王の羽
なかま  :泉守ダイ
      もふもふ
とくぎ  :ファイアブレス
      トキシックブレス
      釣り
      カン
      介抱
じょうたい:カジノ破壊の容疑者、軽装

あずかりじょ:
      新品の短剣
      鋼鉄のよろい
      いつもの額当て
      王の冠
      カジノコイン×2560

【シーラの装備】
レベル  :11
めいせい :230
ぶき   :いつもの本
よろい  :いつもの服
かぶと  :いつもの飾り
たて   :なし
どうぐ  :やくそう×94
      イーサ薬×9
      乗船券×4
      おみやげ×99
      ガラスの破片
なかま  :戦士ポメラ
      大魔導ソルフェージュ
      コボルト
とくぎ  :しょうかん
      値切り
      冷やかし
      虫の知らせ
      ディゾネの思い出
じょうたい:パーティーリーダー

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