まだ、春の物語。道徳の授業が行われる。

今日は、みんなで議論しよう

は~い

じゃあ、学級委員前にでてきてくれ

・・・はい

良太と美紀が黒板の前に立つ。

今日のテーマはいじめについてだ

えっ・・・・

それは・・・

みんなで議論してほしい。じゃあ、始めてくれ

・・・・

美紀が心配そうに良太に尋ねた。

大丈夫?良太君・・・

・・・大丈夫だと思う

その件は解決したんだろう

そうだったね・・・


議論が生徒達で始まり、先生は議論を見守る。

どうしようか・・・・

じゃあ、まずは・・・いじめはいいことなのか・・・わるいことなのか

悪いに決まってる!!

そうだ、そうだ!!

・・・良くないよね・・・いじめは

私もそう思う

ただ、それでは議論にならないので、美紀は次の話題を考える。

いじめは・・・なぜ悪いのか・・・を話し合いましょう

そうだね

なぜって・・・

悪いからだ!!

それじゃあ、議論にならないでしょ!!

・・・・とても・・・悪いからだ・・・

別に悪いことでもないだろう

えっ?

強いものが生き残って、弱いものが淘汰されていく、それが進化だ

けど・・・弱いものはどうすればいいの・・・?

さぁな。隠れて生き延びればいいんじゃないか

良太がみんなに向かって、話始める。

別に悪いことでもない!!

えっ!?

強いものが生き残って、弱いものが淘汰されていく、それが進化だ!!

弱いものは、隠れて生き延びればいいんじゃないか!!

!?

それだと、弱い人はだめってことになるよ!!

そうだ!!良太!!
何言ってんだ!!

お前、何やってんだ?

アルゴの代わりに僕がしゃべったんだ

ほ~、おもしろそうだな。じゃあ、続けてもらうか

良太はアルゴの言葉をみんなに話す。

いじめられるやつも悪い!!弱いことをいいことに被害者ぶっている!!

おい!!言いすぎだぞ!!

ちょ・・・

強くなろうとしない弱い奴は、淘汰されて当然だ!!

もともと種の起源として、強い遺伝子を残す役目がある!!

それが、本能というものだろう!!お前たちの!!

そうだ、続けろ

妙に説得力があるな・・・

そもそも、何が傷ついただ!!お前らの感情というものは、ほんとくだらない!!

少しのことで動揺して、落ち込んで、喜んで!!

まったく、合理的ではない!!

それは違うわ!!

感情がなければ、何も感じなくなってしまうわ!!

そうだ!!弱い奴が悪かったら・・・悪かったら・・・いじめてもいいことになっちゃうだろう!!

じゃあ、何故いじめる!?

えっ?

なぜ、人が人をいじめる!!

・・・

こんなやつだったか・・・良太って?

みんな考え始める。なぜいじめるのかを。

どうした!!誰も何も言わないのか!!

人が人をいじめるって・・・

だって、そうだろう!!いじめは現に起きている!!この瞬間にもだ!!

そうだけど・・・

・・・

そうだな・・・起きてる良太!!

先生が議論に参加し始め、生徒たちは二人の議論のやりとりを見守った。

人は人をいじめる生き物かもしれない!!

そうだ!!

けど、人をいじめたくないと思う生き物だ

なんだと?

だって、全員がいじめてたら、人は増えない

それはそうだな

お前のいう通り、いじめは起きてる。ただ、失くしたいとも思ってる

けど、なくらないだろうな

そうかもな・・・

何故なら、お前らには勝手に傷つく機能があるからな

機能?

まずいか・・・

続けろ!!

そいつが、いじめと認識をしてないもので、勝手に傷ついたという被害者もいる

・・・

どれがいじめか!!
境界線があいまいなんだ!!


  

だから、おかしいことになる!!


  

しっかり、境界線を引くべきなんだ!!ここからはいじめだと!!

そうだな・・・

良太の一人の演説に近いものになっていた。

それでも・・・私は間違ってると思う

論理的にしゃべれ

うまくはしゃべれないけど・・・

良太・・・

どうしたんだ・・・お前はいじめられたことがあっただろう

アルゴありがとう。ここからは僕の意思で話す

あいつらもう言い返してこないからな

良太が話始める。生徒たちはざわつく。

みんなごめん、言い方がきつくて

えっ?

みんな、聞いて欲しい!!

僕はいじめにあったことがある!!

えっ

だから、不登校だったんだ!!

・・・

良太が話を続ける。

確かに僕が勝手に傷ついただけかもしれない・・・

被害者ぶってたのかもしれない・・・

あれが、ほんとにいじめだったのかもわからない

あいかわらず、めちゃくちゃだな・・・お前は

けど、傷ついたんだ。体が動かなくなった

良太君・・・

知らないうちに誰かを傷つけてしまうのかもしれない

良太・・

それが、いじめかもしれない・・・悪意がなかったりするのかもしれない

・・・

だから、傷ついた人も言わなきゃいけないんだと思う!!


  

やめてって!!傷ついたって!!


  

それでやめなきゃ、いじめだと

僕は思う!!


  

僕はあの時・・・それをちゃんと言わなかったんだ・・・

・・・

あと、傷つけてたら・・・謝ればいいとおもう。


  

ごめんって

そうだな

それがお前の境界線か・・・まぁまぁだな

アルゴのおかげだよ・・・僕一人じゃ全然考えつかなかった・・・

まとまりかけた中、公太が手を挙げる。

周りで見て見ぬ振りする奴もおれは同罪だと思う

えっ?

あきらかにわかるときは、俺は止める!!

公太・・・

暴力はいけないことだとは思う・・・ただ、その時俺は暴力を使う多分

それはだめだ!!

俺は馬鹿だから、教えて欲しい!!どうすればいいか!!みんなに!!

止めるのはどうだ!!

取り押さえる・・・

・・・

これを言うとあまり学校にいい顔はされないがな・・・

先生が話始める。

まずは、教師に相談しろ!!


  

それでも、学校に抑えられて大人がうまく動けない時がある。情けないがな・・・


  

その次は親に相談しろ!!


  

それでも、だめなら、いじめ相談室だ


  

それでも、だめなら、教育委員会というものがある。
そこに言え!!


  

ここの学校はいじめを隠す、最悪な環境の学校ですと!!


  

それでもだめだったら・・・俺に相談しろ!!一緒に考える!!方法を!!

そうか・・・そういう方法もあるんだ

権力の活用だな

まず、大事なのは生きることだ


  

それ以外は特に重要じゃないと俺は思ってる


  

だから、学校のせいで死にたいと思うやつは


  

学校を変えればいい。転校しろ!!


  

別にここだけがお前らの居場所じゃない。


  

世界は広いんだ。

そう思います。だって、世界にはいろんなひとがいるから。公太みたいなやつとか

///

どこかに自分を受け入れてくれる場所があると僕も思います!!

良太君・・

そうか・・・生きるのが重要なんだ、きっと!!

あたりまえだ。死んだら終わりだ!!

そうだね♪

チャイムの音が聞こえる。いつの間にか終業を迎えていた。

熱くなってしまった・・・

そうですね。僕は我を忘れてました

お前はすごい奴かもな良太!!びっくりしたぞ

すごいのは僕じゃないんです・・・

すごいのはアルゴだよ♪

わかりきったことを

布団でアルゴと話す。

今日の感情はどうなんだ?

なんだろうな・・・熱くなってしまった・・・我を忘れて・・・


  

情熱かな!!

情熱か。覚えとく

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