明彦の家で朝食を済ませた2人は仲良く並んで道路を歩いていた。
2人の目的はそれぞれが通う同敷地内の高校、星華女子高等学校と星華男子高等学校である。
本日は高校の入学式。同敷地内にある学校というせいか、同じ日となっていた。
とはいえ2人の距離感は幼馴染の頃と変わらず、恋人同士であるという感じでは余り無い。
明彦の家で朝食を済ませた2人は仲良く並んで道路を歩いていた。
2人の目的はそれぞれが通う同敷地内の高校、星華女子高等学校と星華男子高等学校である。
本日は高校の入学式。同敷地内にある学校というせいか、同じ日となっていた。
とはいえ2人の距離感は幼馴染の頃と変わらず、恋人同士であるという感じでは余り無い。
乙女ゲームの絵の方がよっぽど近距離な気がするんだけど
結月は不満げであるが、普段は気付きそうな明彦も今日ばかりは駄目である。
今俺長年の片思いだったユズと恋人同士として並んで登校してるんだよな。やっべーこれがカップルの登校なのか!
普段と変わらないのに何だかすっげー今幸せだ
そう、今明彦は自分の事で精一杯である。
そして相変わらず心の中では素直で、考えている事もそこらの同級生と変わらない明彦である。
何度か結月は彼と距離を縮めようと試みているのであるが、自分の事で一杯一杯なポンコツ状態の明彦はそんな彼女の様子にも全く気付かず普段通り距離を取り続けるので全く成功しないのであった。
もうアキの馬鹿―!
もうちょっと自分から近付いて来てくれても良いのにっ!
しかし何だか恥ずかしいから言葉に出来ない結月である。
そして明彦も相変わらず自分の事で一杯一杯で一切そんな彼女には気付かないのであった。
ユズもいつも以上に可愛く見えるなぁ……。
これから毎日こんな想いで登校するのか! 決まらなかったけど告白して本当に良かった!!
そんなこんなで結局2人はそれぞれの高校に行く為に一端別れる必要のある位置まで来てしまった。
明彦はいつも通りの厨二病的発言である提案をする。
朝陽が生まれゆく頃再び俺は闇に帰る。しかし太陽が闇に覆われる頃、俺達は再び出会えるだろうか?
【訳:朝は一度ここで別れるけど、又夕方の帰り際に待ち合わせ出来るかな?】
まぁ別に大丈夫だけど
結月は素っ気ない反応で返した。
流石の明彦もそんな彼女の様子に漸く気付く。
あ、あれ何か怒ってる?
もしかして俺不味い事言った?
これ早速別れの危機なのか!?
焦り出す明彦だが、結月の素っ気ない対応は変化しない。
入学式長引く可能性もあるしいつ終わるかは何とも言えないから後で連絡する。
それじゃあわたしは行くから
ヤバイ完全に怒ってるようにしか見えない!
でも何で怒ってるのかわからない!
どんどん蒼褪めていく明彦との別れ際、結月は小さな声で言った。
アキのヘタレ!
明彦はしっかりと聞き取ったのだが……
え、何? どういうこと!?
結局彼女の怒りの理由は思い当たらないのであった。
そんな彼等の様子を離れた所から明彦の通う星華男子高等学校の制服に身を包んだ茶髪の少年が見ていた。
あれ?隣にあの娘みたいな女子が居るって事は……彼はもしかして……