おはようございます、プロデューサー
今日はお天気もよくて、絶好のイベント日和ですね!
…え? 私いつもより浮かれてますか?
ふふ、当然です。だって今日のお仕事は、CD発売記念イベントですから
今の晴海詩乃が歌える最高の歌を、応援してくれるファンのみんなに届けられる…嬉しいに決まってますよ♪
それにしてもすごいですね。
このお店、クラシックから演歌、ジャズにロック、アニソンまで取り扱ってるみたい…
ここは…中古CDコーナー、ですか…
ほら、見ていないで行きましょう。店長さんが待ってますよ
!? なっ、なにしてるんですか!
懐かしい曲を見つけた…って、私たちはここに遊びに来ているわけでは…
何故よりにもよって、わた…そのCDを見つけてしまうんですか、あなたは!? いいから、元の棚にもどしてくださいっ!
…えっ、べっ、別にあわててませんよ? 私、歌の国から来た歌の妖精…とか、そんな痛々しい設定のアイドルとは無関係なので…
なんですか? …歌は結構上手かった…? そ、そんなこと言われたからって嬉しくな… じゃなくて! その歌手も喜びませんよ!
…もう! いいから行きましょうってば! 店長さんをお待たせしてるんですから …名残惜しげにしない! ほら急いで!
…この人、本当は気がついてるくせに、私をからかってるんじゃ…
いえ、別になにも…
…その曲、口ずさむのやめてくれません?
…どうせ口ずさむんだったら、10年前に消えたアイドルの曲じゃなくて、今日発売の私の新曲にしてください
あなたはどこかに消えてしまった歌の妖精じゃなくて、私の…晴海詩乃のプロデューサーなんですからね!