あたし

……。













あたし

あれ?









気がつくと理津子は


再び夢の世界に居た。






あたし

あー……。
手紙のこと考えてて寝ちゃったのか……。






理津子が無意識に空を見上げると


先程までの空を覆うクロヴィスらの姿は


もう無かった。






あたし

危機は……脱したのかな……?







理津子はレムを探して



周りを見渡す。



すると、その背後から理津子を呼ぶ声。


レム

オーイ!

あたし

あ、レム!

レム

クロヴィス ハ
ドコカ イッタヨ!

あたし

ホント!?

レム

マルデ カゼ ニ
フカレタ ミタイ 二
トンデイッタヨ!

あたし

良かったぁ。

あたし

あれ、でもあの子は?

レム

ソレナラ
『モドラナキャ マモラナキャ』
ッテ イイナガラ
イッチャッタ。

あたし

そっかぁ……。

あたし

まぁ、いっか。

あたし

それより、手紙の続きどうやったら見れるかな……。

……。

あたし

おねぇちゃん、抜け目ないから
きっと、あの後何か罠を張ってそうな気がするんだよなぁ……。

……。

あたし

なんとかおねぇちゃんにバレずに
手紙を見る方法はないかなぁ……。

見せてやろうか?

あたし

え?

……。

あたし

あなた、誰?

誰だって良いだろ。
それより、手紙見せてやろうか?

あたし

知らない人にそんな事を言われて
ホイホイと信じるあたしじゃないですよ?

レム

ア、 コノヒト ハ
ポスタル サン ダ

あたし

ポス……タル……?

ポスタル

あの手紙、俺が届けたんだ。

あたし

え?ホント?

あたし

……って事は、あなたがイタズラの主ね!

ポスタル

ちょ……まて、誤解だ。
あれはイタズラじゃない。
本物の手紙だ。

あたし

あ・や・し・い!

あたし

証拠を見せてよ!

ポスタル

ああ、いいぜ。

ポスタル

ユウ、リツ、元気にしているかい?
風邪をひいていないかい?

ポスタル

今はこんなに小さいリツだけど、きっととても大きくなったんだろうね。

あたし

それは……。手紙のはじめの部分……。

ポスタル

……といったところだ。
信じる気になったか?

あたし

……うん。

あたし

アンタがイタズラをしたっていう確証が持てたよ。

ポスタル

あ、いや……。
そりゃそうなるわな……。
スマン、忘れてくれ。

あたし

お・の・れ・ぇ〜〜

レム

マッテ!!
ポスタル サン ハ
ホントウ ニ テガミ ヲ
ハコブ ヒトダヨ!

あたし

レムまで!!!

ポスタル

さっきのはポスタルコードっつって
冒頭の部分を識別コード用に使ってんだよ。

勘違いさせるような事してほんと悪かった。

あたし

……本当に?

ポスタル

あぁ。
もし嘘だったら、俺の皮をはいで
煮るなり焼くなり好きにすればいいさ。

あたし

よし、わかった。

ポスタル

ヒェッ

あたし

まあ、それはそうだとして……。

あたし

本当に手紙を見せてくれるの?

ポスタル

あぁ。

ポスタル

ただ、ちょっとだけアンタが頑張ることがあるんだがな。

あたし

頑張ること?

ポスタル

扉を……。
扉を開けなければならない。

あたし

……え……
まさか、結局お姉ちゃんの書斎に行くの?

ポスタル

いや、それじゃない。

ポスタル

これだ。















あたし

これは……。

ポスタル

『書き手の扉』だ。





あたし

書き手の扉?

ポスタル

あぁ。
この扉の先には手紙を書き終えた時に繋がっている。

ポスタル

全ての手紙には書き手の扉とそれと対をなす受け手の扉がある。
俺は書き手の扉で手紙を受け取り、
受け手の扉から手紙を届けているんだ。

あたし

でも、もう書き終わって出した後じゃん。何言ってんのさ!

ポスタル

言ったろ。
この扉は『書き終えた時』に繋がっているんだ。

ポスタル

つまり、いつでもそこに書き終えた手紙はあるのさ。

あたし

んー?

あたし

書き終わった手紙がそこにあるけど、
手紙はもう届けてあって……
でも、やっぱりいつでも書き終えた手紙がそこにある……?

あたし

こんがらがってきた……

レム

ダ……ダイジョウブ?

ポスタル

深く考えるな。
受け入れろ。

あたし

んー……まあいいよ。

あたし

ともかくこの先に手紙があるんでしょ!

ポスタル

ああ、そうだ。
だが……。

あたし

なに、まだ何かあんの?

ポスタル

扉には鍵がかかっている。

あたし

でも、アンタが開けられるんでしょ?

ポスタル

俺が開けたら俺しか入れないんだ。
この扉は入りたい奴が開けるしかない。

あたし

じゃ、鍵ちょうだい。

ポスタル

鍵は……ない。

あたし

もー!一体何なのさ!
鍵がかかってるとか鍵がないとか!!!

ポスタル

これを見ろ。

あたし

え?



理津子はポスタルの指差す先を見た。


するとそこには


『鏡華降現』と書かれたプレートと


その下に4つのサイコロが


並べられていた。





あたし

これ何?

ポスタル

それが、扉を開けるための鍵だ。
正しい数字を並べると開く。

あたし

じゃあ、数字教えて。

ポスタル

わからん。
『鏡華降現』というのはオマエの鍵だ。

俺の場合は『始願夢現』なのだ。

あたし

えー!
なにそれ!

ポスタル

ともかく、この鍵はオマエに縁があるはずだ。
よーく思い出してみろ。

開けるかどうかはオマエに任せる。

あたし

うーん……。

















あたし

決めた!
私は………。























開扉に挑戦しますか?


開けてみる

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