東に三騎！　西に三騎！

両翼に精兵集いたり！

カケトが側の軍勢は！

ドラゴエンペラー！

最強のヨロイビートル！


ゲンペイのスピントップ！

バルバロタイクン！

げに獰猛なる蛮族大君！


アルテュールのアースピーダー

トゥループリンス！

いと絢爛たる貴公子！

マーヤの率いる軍勢は！

兄の形見のL4WD！

カイゼルヴォルフを描いた絵！

アデルヴェルヒェン！

黒に金の高貴な仔狼！


オスカーのサブL4WD！

ゲバルトヴォルフ！

げに獰猛なるまことの狼！


カタリのアフロ戦人！

ペルフェクティア！

叡智に至りし完徳者！

トゥループリンスの跳躍機構作動！

おお！　いと天晴なり！

まことの貴公子の品位燦爛たり！

バルバロタイクン加速！

ペルフェクティアを蹂躙せん！


叡智に達せる完徳者よ！

おのが信仰を全うせよ！


蛮族の暴虐により！

この濁世より解放さるるべし！

カタリはラップをフロウ！

デバフ系リリックにより、

敵のトイの速度がやや低下！


バルバロタイクンの猛進を！

すんでのところでかわし！


トゥループリンスの踏み足を！

ヘッドスピンし！

滑りてよける！

ドラゴエンペラー突進！

だが悲しきかな！

方向がかすかにずれている！

ペルフェクティアには当たるまい！

全方向に駆動可能な全球タイヤは！

直進性をやや欠いているのだ！

かすかに跳躍し！

トゥループリンスは

ドラゴエンペラーの背に乗れり！


だがそれも一瞬のこと！

すばやく跳躍機構を再起動！

再びかすかに跳躍す！


ウインドミル回転を！

始めんとする！

ペルフェクティアへ向けて！

回転速度上昇！

ペルフェクティアは回避を諦め！

ウインドミル回転で

トゥループリンスを迎え撃つ！

必殺の威を込めて！

カタリはリリックをフロウする！

ペルフェクティアの足が！

トゥループリンスの先端部に！

接触したるその瞬間！


トゥループリンス！

跳躍機構を作動せり！

不定角度で我が身は宙へ！


ペルフェクティアは

地に伏せる！

作用反作用の法則は！

夢の内でもたいてい健在！

アデルヴェルヒェン進撃！

貴公子の予想着地地点へと！


トゥループリンスは！

着地と同時に！

仔狼の牙に貫かるであろう！

ドラゴエンペラー方向転換！

全球タイヤゆえに

踏み台にされたる衝撃も！

自在に逃し！

また急な屈折も思いのまま！

アデルヴェルヒェンに衝突！


竜の皇帝と高貴なる仔狼は！

正々！　堂々！

嘘偽りなき真っ向勝負！

貴公子は瀕死の完徳者を！

天より優雅に踏みにじらん！


然れども狼は牙をむく！

貪婪に！　傲慢に！

原初の暴威を発揮せんとす！

狼と貴公子の去ったれば！

蛮族大君！　凱旋す！


苦し紛れのアドリブリリック！

デバフ効果もこれでは小さく！


先の攻撃で衰えた体力！

ペルフェクティアに為すすべ無し！

完徳者濁世より開放されたり！

二匹の狼は呼吸を合わせ！

軽くその身を打ち合わせる！

素早く互いの身を離し！

各々の獲物を狩り殺さん！

轢殺！

バルバロタイクン！

ひっくり返され！

円錐のごとき姿勢になったれば！

回転を続け得る道理なし！


げにげに狼獰猛なり！

暴力をその名に纏いたれば！

勇壮なるをぞ讃うべし！

二匹の狼！

遮二無二駆ける！

竜の喉をぞ噛み千切らん！

マーヤも！　オスカーも！

アルテュールも！


ドラゴエンペラーの潜在力に！

もはや既にぞ気づきにける！


このトイは何か違う！　と！

トイファイターとしての勘ゆえに！

トゥループリンス加速せり！

ゲバルトヴォルフの正面へ！

互いの運動エネルギーはほぼ互角！

質量で勝るは！

ゲバルトヴォルフ！

速度に勝るは！

トゥループリンス！


だが互角であるゆえに！

真っ向当たれば相討ち必定！


後の戦に備えんと思い！

ゲバルトヴォルフは回避を選ぶ！

然れども！　ああ！

ゲバルトヴォルフはL4WD！

四輪ゆえに幅は大きい！

その上速度に劣ったらば！

細やかなる回避をぞ！

いかに望めど為し得まじ！

トゥループリンス！

ゲバルトヴォルフ！

二者接触！


ゲバルトヴォルフの試みた！

回避のゆえに！

真芯の当たりには非ず！


トゥループリンスの細き身の！

その優雅なるフロントの！

品位いと高きエッジパーツ！


ゲバルトヴォルフの！

片側フロントローラーに！

一瞬！　組み付いたるぞ！


たかが一瞬！　されど一瞬！

組み合ったるその瞬間！

トゥループリンス跳躍機構作動せり！


組み合ったるそのゆえに！

見事に舞い跳ぶべくもなし！

然れども！　おお！

貴公子！　天へ昇りたるぞ！


ゲバルトヴォルフの！

片側フロントローラーをこそ！

破壊して！

正面衝突しながらの！

跳躍なれば無様なり！


然れども彼はまことの貴公子！

無様なれども品位を欠かず！

衰弱すれども戦意失くさず！


墜落のごとくに着陸し！

最後の力を振り絞り！

狼の顎へ！

いと雅やかに進撃す！


その果敢さの天晴れよ！

鬼神も手を打ちどよむべし！

果たして片一方！


フロントローラーを一つ失い！

バランスをも失くしたる

ゲバルトヴォルフを！

滅ぼさんと竜ぞ迫る！

威風堂々！

まことの狼の命を賜り！

眷属の狼は加速せり！


我が身は瀕死であるとても！

負けを認める理由に非ず！


竜狼！　対決！

いずれも魔獣にましませど！

手負いなればぞ劣るなる！


ゲバルトヴォルフ！　玉砕！

いざやヴァルハラへ凱旋す！

庭師が宣言したるとき！

また一方も決着す！

トゥループリンス！　昇天！


跳躍機構起動の意味ならで！

貴公子の魂は天に召さるる！

ただ優雅にぞ安らうべし！

高貴なる仔狼と！

竜の皇帝とは相対す！


ファイトフィールドには！

ただ二者ぞある！


いざや世界を決すべし！

先に仕掛けしは！

ドラゴエンペラー！


さもありなん！

巻きゼンマイは残りわずか！

時間をかければ！

それだけ敵の有利となろう！

ヨロイビートルの！

ゼンマイ駆動を！

マーヤも無論知ったりける！


ゆえに一対一となったれば！

真っ向きっての戦は避くべし！


リーサルギミックのみにこそ！

気を付けたらば勝利は固し！

ドラゴエンペラー方向転換！

全球タイヤに誉あれ！


然れども追いつき得ず！

アデルヴェルヒェンはL4WD!

安定すれども！

車両の常法に縛られたる四輪車！


否！　否！　否！

かように考えるは誤謬なり！

アデルヴェルヒェンはL4WD!

おお！　然れども！

L4WDにあってL4WDに非ず！

アデルヴェルヒェンこそは、

カイゼルヴォルフを描きし絵！

常はL4WDとて振る舞えど！

その本質は車両に非ず！


マーヤが夢の！

神と化したる今こそは！

アデルヴェルヒェンもまた夢！

夢のごとくに舞い踊り！

四輪車両の限界を！

しばしば！

ひらりと超ゆるなり！

傍目には泥仕合の様相も！

本人らには必死の戦！


しのぎを削り！　鍔を迫り！

勝利以外の何事も！

ここには無用との信念！

稚気の徒花繚乱させて！

没我のパッション輝きたり！


ああ！　神々よ！

及びいと高きすべての者よ！

これをぞ御覧じたもうなら！

ただ祝福をぞ賜うべし！

こぞトイファイトの

あらゆる真剣勝負の神聖！

夢かとばかりに輝ければ！

ゼンマイ戻り切りにけり！

ドラゴエンペラーは最後の力！

リーサルギミックを発動す！


ドラゴエンペラーの機体より！

神聖なる極光満ち溢れ！

おお！

竜は翼を開きにけり！

アデルヴェルヒェンは遠ざかる！

リーサルギミックによる！

一発逆転の奥義こそ！

最も恐るべき敵の技なれば！


竜が翼を広ぐるとも！

万里を飛ぶはゆめ叶わなじ！

なれば離れて彷徨し！

変幻自在にその身をかわせば！

討たれて負ける憂いなし！

ドラゴエンペラー！

翼を開いたるには非ず！

竜は古き鱗を脱ぎ捨てたり！


ドラゴエンペラーの内側より！

いとも小さき！

ヨロイビートル降臨せり！

アデルヴェルヒェン！

方向転換！

己が速度を！

敵の正面へ向けんとする！


然れども先の逃亡ぞ！

今なお足を引っ張りたり！

回避のための動きゆえ！

方向転換が間に合わない！


アデルヴェルヒェンの側面に！

ドラゴエンペラーの嗣子！

御業を受け継ぎ衝突す！

質量で勝るるも！

側面より攻撃を受ければ！

安定を保つ法もなし！


アデルヴェルヒェンもまた！

戦に疲れた身にあれば！

その身を横転させ！

ファイトフィールドの外へ！

むなしきものとぞ散りにける！

おお！　おお！　おお！

神々よ！　天狗よ！　精霊よ！

および読者諸卿！

またいと高きすべての者どもよ！

ご覧いただけたか！？


ドラゴエンペラー勝利せり！

カケトは世界を護ったり！

褒めよ！　讃えよ！


希望を捨てず！

苦難あふるる戦の果てに！

喜ばしき勝利を掴んだる者をぞ！


世の輝きはここにあり！

命はかくも眩しかるべし！

次回！

トイファイターズ！

最終回！

「夢のあそび」


Coming Soon!

このSoonは

わりとマジで

Soonにします。

さもないと

サービス終了に

間に合わないので。


Soonを

どうかお待ち

くださいますよう

読者諸卿に

お願いいたします。