シーマ

かわいい…ですか?世間知らずが?

アカネ

ん~ん。一生懸命な所が!私好きよ。仲良くなれる気がする。

シーマ

私も…そんな気がします!改めてよろしくアカネさん。

ゼロ

で、俺がアントニダスの子だってことは信じてくれたか?

シーマ

半分くらい…

ゼロ

半分か…

まあ、裏を返せばそれだけ親父を大人物と扱ってくれてるんだろう。
アカネのいう通り悪い子ではなさそうだ。

ゼロ

後ろの馬車、ヨシオおじさんに任せて大丈夫だったかなぁ。なんか不安になってきた。

ベルモント

平穏無事であることを祈るしかないな…

こちらの馬車に4人、後ろの馬車に5人乗っている。ちなみにヨシオ「おじさん」と読んではいるがただの近所のおっさんの意味であって、親戚ではない。

シーマ

で、獅子の国に着いたらどうするんですか?
ライオンどもをミナゴロシですか?

ゼロ

話聞いてなかったのか?助力を乞うんだよ、殴り合いとか殺し合いなんて絶対起きないよ!

シーマ

えー、獅子ですよ?狂暴ですよ?ヤラレル前にヤルのが得策だと思いますが…

ベルモント

心配いらない。
獅子族と人はだいぶ前に和解している。
そもそも亜人の大半は理由もなしに人を襲うような奴らじゃない。

ゼロ

それも親父の功績が大きいんだぞ?
アントニダスファンなら要チェックじゃないか?

シーマ

なるほど!メモしとかないと!メモメモ~。

アカネ

で?で?話は変わるけど、シーマの「血の力」ってなんなの?

-血の力-
すべての生き物が持つとされる超常の能力。その中でも特に修練や継承によって高められたものを指す。
血液に宿る力という意味ではなく、血脈、つまりは血筋によって受け継がれることからそう呼ばれるようになった。

シーマ

ありませ~ん。巫女の真似事はできますが、効力は保証しかねます♪

アカネ

あれ?どうなってんの?ゼロ。
戦闘能力たったの5、ゴミめ!
ってこと?

ゼロ

可能性あり、だ。
修練によって「血の力」が開花する資質あり、しかもレジェンドクラス。
ちょっと鍛えれば、お前と一緒に砲台役くらいできるんじゃないか?

アカネ

レ、レジェンドクラス!
たった一代で!?
空前絶後の大天才じゃん!

ゼロ

うーん、
俺が思うにド田舎に住んでただけで
実はすごい家系なんじゃないか?
コイツ  

シーマ

ふっ…主役交代の時が来たようですね…

アカネ

うーん、難しいよ?資質は凄くってもどれだけ引き出せるかがやっぱり肝心なわけだし。
毎日修練したとして、いつ頃実戦で扱えるようになるかは未知数ね。

ゼロ

まあ、そうなんだがな。
猫の手も借りたいのが現状だ。
ダイヤモンドの原石を放っておくわけにもいかん。頼む。

シーマ

ま か さ れ よ !

ゼロ

(アカネに言ったつもりだったんだがなぁ…ま、いいか)

アカネ

ま か さ れ よ !

ゼロ

楽しそうで何よりだよ!

ベルモント

おい!見えてきたぞ…獅子の国だ

太陽が真上を過ぎ少し傾いたころ、俺たちを乗せた馬車は獅子の国へと到着した。
勝算はあると言ったものの、異国の空気を肌に感じるとやはり緊張する。
俺はうまくやれるだろうか?
いや、やるしかない。ここが第一の分水嶺だ。

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