マジー・プリエール

……うし、侵入成功

風ノ助

すげえ……これがディスナティの船の中

マジー・プリエール

大丈夫か風ノ助。酔ってないか?

風ノ助

少しクラクラするくらいだ。なんともないさ

マジー・プリエール

無理はしてくれんなよ。じゃあ、早速交渉に向かうとしますか

マジー・プリエール

悪いけど、案内してもらいましょうかね。カシェさん

カシェ

やはり……気づかれていましたか

アムレート

あれが……マジー・プリエール様?

マジー・プリエール

ちょちょっとカシェさん!!なんで隣に女の子はべらせてんの!ずるいそこ変われ!!

風ノ助

おいマジー……

アムレート

これは……玉の輿に乗せてやる宣言!?

カシェ

お前も戻ってきなさい……

カシェ

マジー様、まさかこのような形でお会いするとは思いもしませんでした。貴方が索敵の名手であることは存じていましたが、ここまでとは

カシェ

ですが、腑に落ちない点が2点あります。まず、隣の若者は?そして、何故このような形でここに来られたのです?

マジー・プリエール

まず、隣の奴は風ノ助。漂着した先生を助けて下さった村の青年っす

アムレート

先生って、あのソール・グルナディエ?

カシェ

あの人、昔から泳げなかったからなぁ……

マジー・プリエール

で、ここに来た理由はひとつ。ソール先生の意志で、十国との戦争を止めに来たんす

カシェ

戦争を止める!?

マジー・プリエール

十国には先生の大切なものが一杯詰まってる。大事な親友、助けてくれた村の人々……この短い間で一杯できちまった

マジー・プリエール

そんな大事な国が大事な祖国と戦争やるって聞いたら、普通止めたいと思いません?

カシェ

なるほど……気持ちはよく理解できます

アムレート

理解しちゃうんですか?

カシェ

自らに重ねたら自然と共感できただけだ

マジー・プリエール

さて、カシェさんが陥落したところで、そろそろ司令官のところに案内してもらっていいっすか?指揮を執っているの、アンタじゃないんでしょ?

カシェ

マジー様、事前に言っておきますが……説得は困難を極めますよ?

カシェ

なにせ、貴方が最も苦手な方が司令官をされているのですから…………

カシェ

レーグル様、ただいま戻りました

レーグル・ブリエール

ああ、ご苦労

マジー・プリエール

…………マジかぁ

風ノ助

マジー?

レーグル・ブリエール

これはこれはマジーお兄様ではありませんか!可愛い弟の顔が見たくなりましたか?

ソルセルリー

本当だ!マジー様だわ!

チャーム

あ、はい

マジー・プリエール

一人だけ反応薄くないっすか!?

風ノ助

そこに反応してる場合かよ

カシェ

若者よ、あの方はマジー・プリエール様の弟君であり、ディスナティの第一王子であるレーグル・ブリエール様だ

風ノ助

王子様!?

レーグル・ブリエール

白馬にでも乗ってた方が良かったかな?

ソルセルリー

それは……賛同できかねます!かっこよすぎて……

チャーム

ウブ

風ノ助

個性豊かだなぁ……

カシェ

ちなみに、あそこの二人はアムレート同様私の教え子です

アムレート

いわばカシェ様は、私達のお師匠様♪

マジー・プリエール

誰も聞いてないから黙ってようか

レーグル・ブリエール

それでお兄様、こんな形での訪問とはどういう用件で?

マジー・プリエール

単刀直入に言う。十国への進行をやめ、ディスナティに帰ってもらいたい

ソルセルリー

…………?

レーグル・ブリエール

……お兄様は、いつから十国に寝返ったのですか?

マジー・プリエール

誰も十国に寝返ってないっすよ。これはあくまで先生の意志だ。十国とディスナティの衝突を避けるためにね

風ノ助

お、俺からも頼む!十国は大事な、大事な俺達の国なんだ!戦争なんて起こして、十国の自然を壊さないでくれ!!

ソルセルリー

…………

アムレート

…………

チャーム

…………

レーグル・ブリエール

……お兄様、今の僕が誰だか知っていますか?

マジー・プリエール

は?何を言って――――

レーグル・ブリエール

僕は今ディスナティの第一王子だ。そして、あなたは今ソール・グルナディエのしがない一番弟子だ。今のあなたに政治や軍事的な決定事項に口を出す権利はない!

マジー・プリエール

お前…………

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