第2チームのシャトルランが始まる。
悠美は3レーン向こう側だった。
悠美もあたしも同じタイミングで走るからには、何かしらの意図を持って走るはずだ。
悠美は多分あたしに負けるわけにはいかない。
あたしは、今日の朝のことで負けるわけにはいかない。
微妙な緊張感があたしと悠美の間に流れる。
先生の開始の合図とともに、走り始めるあたしたち。
身体能力で負けるわけがない。
あたしの周りにいるのは、身体能力上位の男子だ。
小さい頃から鍛えられている。
負けるつもりなど毛頭なかった。
楽勝で勝てると思っていた。
しかし、悠美も強かった。
10回繰り返したところで、女子は半分になっていた。
女子の平均に達したところでもう半分いなくなった。
最後は、あたしと悠美の二人になった。
途中までは、互いに互いを見る場面もあったが、もう、そんな余裕はなくなった。
意地の張り合いみたいになったけど、僅差であたしは勝てた。
勝ったはいいけど、これは……