そう言えば竜ケ崎先輩
ん?どした?
ソプラニータってなんなんですか?
しらん
なんで当事者が知らないの……
そうはいっても、百合ヶ丘は知ってるん?
そう言われると私も知らないけど、本人でしょ?
そうらしいけど
ああ、ソプラニータって言うのは、成人後もボーイソプラノを保っている男性のことだよ
へー、そうなんですか
反応薄いですね
そんな特殊なことなのかなって
特殊なことだから、あんな大騒ぎになったんでしょう
でも、それってどんな原理なんでしょうね。
昔は去勢してボーイソプラノを保ってるカストラートって言うのが居たのは知ってますけど
原理って言われると、僕も知らないんだよね
これは医学の範疇なのでは無いでしょうか
え?去勢って宦官とかそんな感じ?
うーん、宦官より若い段階で去勢することが多かったみたいだよ。
7才くらいから行ってても10才?
キュッてなった
でも、宦官とカストラートでは去勢の仕方違うんですよ
そうらしいわね
え?どう違うの?
宦官は外部器官を全部切り落としちゃうけど、カストラートは切開して精巣だけを引っ張り出して去勢するって
当時は衛生状態も良くなかったから、死亡率高かったみたいだし、生き残っても失敗してること多かったみたいね
ヒェッ
と言うか、竜ケ崎君は小さい頃に大病を患ったとか事故に遭ったとかそう言うの無い?
そう言うのは無いです。元気だけが取り柄です
それだと、やっぱり生まれつきなんですね
昔は人為的に作り出すほどだったんです。いかにレアケースかわかりましたか?
ウィッス
と言うか、二天門先輩と海老名先輩と天王台さんが詳しいのはわかりますけど、なんで百合ヶ丘先輩はスルッとカストラートなんて単語が出て来たんです?
まぁちょっといろいろね
……なるほど、興味深い話が聞けそうですね
……?
しかし、かつてカストラートは祈りの場に入ることは許されないと言った存在でしたから、それを考えると辛い立場だったのだなと思います
え?でも、結構教会の合唱団に居たって記録残ってるけど
そうですけれど、基本的に、人為的に去勢した男性は祈りの場に入ってはいけないという事にはなっていたんです。
特にフランスではその傾向が強かったみたいですね
それは今もなんですか?
今はそう言うわけでは有りませんよ。
ですが、やはり強硬な態度を取る教会が無いとは言い切れません
なんか難しいんだなー
本当に他人事ですね