そういいながらもエプロンをつけるシャロは、やはり真面目な性格なのだろうか
ところでマリア。
この新人の配属先は決まってないんだろ?
えぇ
さっき掃除班を見学しただけで、あいさつ回りすら終わってませんから
だったらよ、ここで使えるかちょっとテストしてみてもいいか?
あ~!ベティだけずるい!
私も一緒にお仕事したい~!
分かりました。では順番にお願いします。
あ、私の意思は……
そういいながらもエプロンをつけるシャロは、やはり真面目な性格なのだろうか
こんな感じでしょうか?
課題として出された料理を手際よく作り目の前に並べながらシャロは言った。
ベティとパティは感心したようにシャロの料理を眺めていた。
なかなかいいスジしてるじゃないか。
料理の腕ならパティより上じゃないか?
それは買いかぶりすぎではないでしょうか……。
そんなことねぇよ。
パティはお菓子しか作れねぇからな
そういうことは言わなくていいんだよ……。
でも確かに、上手いねぇ……。
お菓子作りもうまかったし、ぜひ調理班に欲しいなぁ
二人は口々にシャロを褒める。
マリアの目から見ても確かにシャロの手際の良さは一級品だった。
今からここに配属しても問題ないレベルである。
それにしても、シャロちゃんは掃除もできて料理もできるんだよね?
そうね
彼女をどこに配属すべきか悩ましいくらいです。
か、買いかぶりすぎですよ……。
シャロ自身はどっか希望とかあるのか?
ベティに問いかけられたシャロはうーんとうなりながら口を開いた。
できることならご主人様のお近くでお支えできるようなところがいいですね
そしたらやっぱりうちに来てよ!
てめぇいつの間に来やがった!
突然の来客にベティは自然な動作で銃を向けた
わわ!
ベティちゃん!
突然声かけた人に銃を向ける癖はやめた方がいいと思うな!
べ、ベティさん落ち着いてください
ったく……脅かすんじゃねぇよ
ところで、皆さんはご主人様にお会いしたことはあるんですよね?
どんな方でした?
シャロの問いかけに対して全員が考え込んだ。
そして口々に答え始めた
上品で落ち着きのある人だったなぁ
思慮深いって言うのか?そんな人だったな
孤高って言葉が似合う人かな?
絶対一人は嘘ついてますよね……。
シャロは呆れたような様子で言った。
確かにこの三人の発言には共通点が見られない。
悩むシャロに対してマリアは諭すように言った。
まぁ、どのようなお方なのかは自分の目で確かめるのが速いと思いますよ
さ、行きましょう。
今日はここまでにして残りは明日にしましょう。
分かりました……。
シャロはしぶしぶといった様子で引き下がった。
どんな人なんだろうなぁ……ご主人様……。
挨拶まわりの疲れをいやすようにベッドにもぐりこんだシャロは、まどろみながらぐるぐると思考を巡らせていた。