ベティ

ところでマリア。
この新人の配属先は決まってないんだろ?

マリア

えぇ
さっき掃除班を見学しただけで、あいさつ回りすら終わってませんから

ベティ

だったらよ、ここで使えるかちょっとテストしてみてもいいか?

パティ

あ~!ベティだけずるい!
私も一緒にお仕事したい~!

マリア

分かりました。では順番にお願いします。

シャロ

あ、私の意思は……

そういいながらもエプロンをつけるシャロは、やはり真面目な性格なのだろうか

シャロ

こんな感じでしょうか?

課題として出された料理を手際よく作り目の前に並べながらシャロは言った。
ベティとパティは感心したようにシャロの料理を眺めていた。

ベティ

なかなかいいスジしてるじゃないか。
料理の腕ならパティより上じゃないか?

シャロ

それは買いかぶりすぎではないでしょうか……。

ベティ

そんなことねぇよ。
パティはお菓子しか作れねぇからな

パティ

そういうことは言わなくていいんだよ……。
でも確かに、上手いねぇ……。
お菓子作りもうまかったし、ぜひ調理班に欲しいなぁ

二人は口々にシャロを褒める。
マリアの目から見ても確かにシャロの手際の良さは一級品だった。
今からここに配属しても問題ないレベルである。

パティ

それにしても、シャロちゃんは掃除もできて料理もできるんだよね?

マリア

そうね
彼女をどこに配属すべきか悩ましいくらいです。

シャロ

か、買いかぶりすぎですよ……。

ベティ

シャロ自身はどっか希望とかあるのか?

ベティに問いかけられたシャロはうーんとうなりながら口を開いた。

シャロ

できることならご主人様のお近くでお支えできるようなところがいいですね

クレア

そしたらやっぱりうちに来てよ!

ベティ

てめぇいつの間に来やがった!

突然の来客にベティは自然な動作で銃を向けた

クレア

わわ!
ベティちゃん!
突然声かけた人に銃を向ける癖はやめた方がいいと思うな!

シャロ

べ、ベティさん落ち着いてください

ベティ

ったく……脅かすんじゃねぇよ

シャロ

ところで、皆さんはご主人様にお会いしたことはあるんですよね?
どんな方でした?

シャロの問いかけに対して全員が考え込んだ。
そして口々に答え始めた

クレア

上品で落ち着きのある人だったなぁ

ベティ

思慮深いって言うのか?そんな人だったな

パティ

孤高って言葉が似合う人かな?

シャロ

絶対一人は嘘ついてますよね……。

シャロは呆れたような様子で言った。
確かにこの三人の発言には共通点が見られない。
悩むシャロに対してマリアは諭すように言った。

マリア

まぁ、どのようなお方なのかは自分の目で確かめるのが速いと思いますよ
さ、行きましょう。
今日はここまでにして残りは明日にしましょう。

シャロ

分かりました……。

シャロはしぶしぶといった様子で引き下がった。

シャロ

どんな人なんだろうなぁ……ご主人様……。

挨拶まわりの疲れをいやすようにベッドにもぐりこんだシャロは、まどろみながらぐるぐると思考を巡らせていた。

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