【68】
ボクたちは
サン・デルモントにやって来た。
今までの町とは違う
人通りの多い町だ。
なによりここにはカボチャがある。
ハロウィンがある。
そこがキルバスと違う。
ここはなぜこうもカボチャだらけなんじゃ?
店々のショーウィンドーを眺めながら
女神が尋ねる。
ハロウィンだからだよ
大小のカボチャの置物。
お化けや蝙蝠。
どの店も
オレンジと黒で彩られている。
はろいん?
もしかして知らないの?
キルバスに住んでるのに
なぜキルバスに住んでいたら”はろいん”を知っていないといけないのじゃ?
んー……
キルバスはカボチャの町。
もしかしたら
年中ハロウィンのようなものだから
あえて
無いのかもしれない。
……だからカボチャがないと困るんだよ
何を言っているのかようわからぬ
とにかく文通相手が元気なのがわかったら女神様もやる気出るでしょ?
そしたらカボチャ作れるようにしてあげて
……
よくわからんが、わかった
Q:唐突ですが質問です。
雑貨店の少年には会っていますか?
会っている。
会っていない。