春の暖かい陽気の中、
少年は引きこもる部屋に……
どれぐらい、家をでていないのかわからない――
中学一年生 良太(りょうた)。

やることもなく、日々を過ごしていた。

あぁ・・・ゲームも飽きた・・・何回もクリアしたからな・・・プラモを分解してまた作ってそれも飽きた・・・

今日もネットでもしてよう・・・

良太は部屋のカーテンを閉めきり、一人パソコンの電源をつけ、インターネットを楽しんでいた

また、あほなニュースが・・・
こんなばっかだな

ほんと、悪い奴ばっかだ・・・


  

どいつもこいつも・・・

良太は、自分のパソコンに1件見知らぬメールが入っていることに気付く

なんだ・・・これ?

メールの件名にはふざけたことが書いてあった。

件名:君にこれを作れるかな?
   天才君?

ハッ。何が天才君だ!!
ふざけて・・・
いたずらメールにもほどがある。
無視だよ、こんなの。

なんだろう・・・?
あれ・・・暇だな・・・?
頭に入ってこないな・・・
情報が・・・

・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

あぁ、くそ――!! 
やってやるよ!!

良太はメールを開いた。

アルゴの作り方?

アルゴってなんだよ。まったく

中にはびっしり図面と必要なものが書いてあった。

おもしろそうじゃないか!!

良太は部屋からでて、物置へ向かった。
物置にはジャンクパーツがたくさんあった。
良太の父の趣味である。

これと、これと・・・

一通りのものをそろえ設計図面通りに作り出した。

ここをつなげて・・・
これを切って・・・

集中して図面通り作り上げていった。
プラモを作るような感覚だった。
そして、完成する――

腕時計・・・???
どくろの顔がついてる・・・悪趣味だな

腕にはめ――
そして、最後の指示にしたがう。

これをパソコンにつないでっと・・・
ファイルを実行するっ・・・と!

腕時計にプログラムが流れ出す。

なんのプログラムだろう?

終わったのか・・・

なんだ、ここは?

!?

と、時計がしゃべってる!!

時計ではない

へっ?

人工知能だ!!俺は!!

じ、じ、人工知能!!

お前が俺を作ったのか?

・・・そうだけど

そうか・・・残念だ・・・
やけに部屋も暗い・・・
引きこもりか?

お前に関係ないだろう!!

関係する・・・。これから俺はお前と共に行動しなくちゃいけない

な!?

無理に外そうとするなよ!!
爆発するから!!

え―?
なんだって!!

良太はその場に座りこむ。

・・・え?
・・・爆発???


これを外せないの・・・一生?

こんなダサい時計を外せない・・・
なんでつくちゃったんだろう?

おい!!

なんだよ!!今考えてるんだ!!

どうでもいいが、お前外にでろ!!
暇だ!!

うるさい!!知ったことか!!

機械の分際で人間様に!! 
たてつくな!!

お前の飼い主だ、俺は!!

なっ!?

なぜなら、お前の生殺与奪権を、俺が持ってるからな!!逆らえば自爆して終わりだ!!

しないけどな、そんなこと

くそ~~~~!!


そうして、奇妙な時計との共同生活が始まる。

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