煌炎

ふぁあ・・・。

使用人A

やった・・・のか?

使用人B

これで俺たちは苦しめられずにすむ・・?


そして数秒の間があり・・・


歓喜の歓声があがる

しかし、その中で一人の使用人と煌炎だけが沈黙していた



煌炎

おたくだろ。
幕府の内通者は。

使用人C

ひっ・・・!
きっ・・切らないでくださいいいぃい!!

煌炎

へぇ・・・?
命乞いかよ?

煌炎はヒタリと使用人ののど元に刃を当てる

煌炎

花蓮が失敗したのをチクったのも、幕府の野郎がここに来るようになったのも・・・ぜーんぶおたくの仕業なんだよなぁ?

使用人C

・・・っ。

花蓮

・・・!!??
嘘!!!??
貴方が!?

煌炎

んなつまんねーこと謀るようなやからなんざぁ、この世にいらねぇ・・・消えちまいな。


煌炎は勢いよく剣を振りかざす


剣は使用人を切りつけたかのように見えたが、煌炎はニヤリと笑って寸でのところで剣を止めていた

煌炎

うっそ。

使用人C

!!!!
どうして助けるのだ!!??

使用人は煌炎に涙ぐみながら言った

煌炎

生憎、この剣は幕府の畜生ども用なんでなぁ。
正義ぶって振り回すよーなもんじゃねーんだわ。

煌炎様・・・。

賽はしみじみと煌炎の成長を感じて感嘆の声を漏らした


そして、その使用人が安堵のため息をついた時


使用人の前に素早く動くものが一つ

これは・・・・・・・

脚?

そう、脚


煌炎のおみ足が的確に使用人の顔面を捉え、勢いよく後ろに吹っ飛ばしたのである


使用人C

ぐはぁああああっ!!!!???

煌炎

おたくよぅ、安心しきった顔されちゃ困るぜ?
確かに、俺様の剣は幕府の畜生どもを狩るものだ。

煌炎の不敵な笑みがこぼれる

煌炎

だがな、俺様の脚は切るに足らない幕府の畜生以下のクズ野郎をぶちのめすためにあるんだなァ、これが!

使用人C

ひぃいいいいい!!!


それはまるで
不気味に笑う般若の形相


使用人の頭には走馬燈が過ぎ去ってい行く


煌炎

覚悟、できてんだろうなァ?

か・・・彼もこれに懲りたらもう悪いことをしようという気にはならないでしょう。

煌炎

・・・疲れたし、どっか寝床探して寝ようぜ。


煌炎に足で嬲りまわされた使用人は、他の使用人によってひっ捕らえられ地下牢に連れていかれようとしている


煌炎たちも宿探しに立ち去ろうとした時だった


花蓮

お兄さん!!!

煌炎

あ?

花蓮

あのっ、本当にありがとう・・・!

煌炎

んなことかよ。
行くぞ、ポニー。

だから賽ですって!!!
待ってください、煌炎様!

花蓮

待って!!!!


そう言って勢いよく煌炎の服を掴む


煌炎

あん?
まだ何か用かよ。

勢い余って煌炎の帽子は地面に落ちる

花蓮

わ・・・・、ちゃんと見るとお兄さんかっこよ・・・・・・。

煌炎

とっとと要件を言え。

花蓮

あ、えっと。
私を連れってってほしいの!!

煌炎

は?

使用人A

へ?

使用人B

え?

ええええええええええええ
えええええええええええええええええええ
!!!!!!!!!!!!!!!!!?????????

使用人A

な・・・何をおっしゃるんですか!!!
花蓮様!!!!!!

使用人B

そうです!!!!
どうしてそのようなことを!!!

花蓮

私・・・、このままじゃ何にもできない人間になってしまうと思うの。
また幕府の奴らが来たら、今のままじゃまた今回の二の舞よ。

使用人A

・・・花蓮様!

花蓮

それは嫌なの。
私、強くなりたい!!!
お兄さんたち、どこかに向かって旅してるんでしょ!!
私もつれてって!!

使用人B

花蓮様!!!
どこに向かうかもわからない方についていくなど、私は反対ですぞ!

花蓮

嫌!!!!
これでも私は頭首になるのよ!
私はみんなを守る力がほしい。

使用人A

花蓮様・・・・。
そこまで私たちのことを考えてくださって・・・。

花蓮

だからお兄さん、私を連れてって。
どこへだってついていくわ。

使用人B

花蓮様・・・。

視線の一点が煌炎に集まる

煌炎

嫌に決まってんだろ。

花蓮

えっ!???

使用人A

はぁ!!???
花蓮様がここまでお頼みになっていらっしゃるのに、どうして断るのだ!!??

煌炎

・・・さっきまで反対してたんじゃネェのかよ。

使用人B

どうか花蓮様をよろしく頼みます!!!

煌炎

・・・なんか勝手に決まってっし。

花蓮

お願い!!
足手まといになったら捨てて行ってもらっても構わないから!!

・・・煌炎様。

煌炎

・・・・・。

花蓮

お願い!!

煌炎

俺は知らね。
勝手にしな。

花蓮

・・・!
ありがとう、お兄さん!!

・・・煌炎様。

こうして、ひと悶着ありながらも花蓮が新たな仲間として加わり、煌炎一行は東京を目指し足を進めるのだった

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