ノエル

こんにちは。私はノエル・フランよろしくね

マリアがシャロを連れて行ったのはノエルの下であった。
ノエルたちの主な仕事は屋敷の清掃である。

クレア

お?君が新人さんだね?私はクレア!よろしくねぇ!

シャロ

よ、よろしくお願いします!

ノエル

シャロさん……美しいですわね……

ノエルはそう言ってシャロの髪を一束掬い、さらさらとこぼした。
シャロの銀髪が窓からの光を受け綺麗に光りながら流れるようにシャロの元へ戻る。

シャロ

あ、ありがとうございます……

ノエル

本当に綺麗ね……

シャロ

あ、はい……

顔を寄せ、シャロの顎に手を添えながらノエルが言う。
熟れた無花果のような甘くからめとられるような感覚にシャロは思わず身じろいだ。

ノエル

逃げなくてもいいではありませんか。仲良くしましょう?ね?

クレア

はいはいそこまでー
ノエルはほっとくとすぐ女の子に手を出そうとするんだから

ノエル

いいじゃないですか。可愛い女の子は正義ですよ?

マリア

真面目に仕事しなさい

マリアが呆れたような口調で言う。
ノエルは、ふふふっと笑うとマリアに顔をよせた。

ノエル

つれないですわね
まだ私あなたのことあきらめてませんのよ?
本当に綺麗な顔をしているんだから……

マリア

わ、わ、私のことはどうでもいいんです!

マリアは、顔を真っ赤にしながらノエルから目をそらした。
ノエルはその様子を楽しそうに見つめている。

マリアは咳ばらいを一つすると、また普段のクールな表情を取り戻した。

マリア

シャロさんには、まずここで掃除の仕事をしてもらいます。
ノエルさんに指示を受けてやってください。

シャロ

分かりました!

マリア

じゃあ、ノエル。任せましたよ

ノエル

はーい。
さ、シャロちゃん、おいで!

マリア

『真面目に』やってくださいね

マリアはノエルにくぎを刺したが、ノエルはわれ関せずといった様子でシャロを連れて奥の部屋へと進んで行った。

マリア

ん?
腕組んで行く必要あったのかしら?

ノエル

シャロちゃん筋がいいわね

シャロ

ありがとうございます!

クレア

窓ふきも完璧……

ノエル

私たちそう掃除班にほしいわねー

ノエルとクレアに指示を受けながらシャロは順調に掃除を進めていた。

シャロ自身は考えたことは無かったが、どうも掃除のセンスが有るらしい。

ノエル

こんなものね。
シャロちゃんはクレアより働いてくれるから助かるわぁ

クレア

なによぉ!!
やめちゃうよ?

ノエル

別にいいわよ?
シャロちゃんが来てくれるもんね~?

シャロ

あ、いや……私は……

戸惑うシャロの元に救いの手が伸びた

マリア

もう行きますよシャロ
次の場所があります

シャロ

あ……
め、女神さまだ……

マリア

は?

どうもシャロはノエルの毒に犯されてしまったらしい

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