マリアがシャロを連れて行ったのはノエルの下であった。
ノエルたちの主な仕事は屋敷の清掃である。
こんにちは。私はノエル・フランよろしくね
マリアがシャロを連れて行ったのはノエルの下であった。
ノエルたちの主な仕事は屋敷の清掃である。
お?君が新人さんだね?私はクレア!よろしくねぇ!
よ、よろしくお願いします!
シャロさん……美しいですわね……
ノエルはそう言ってシャロの髪を一束掬い、さらさらとこぼした。
シャロの銀髪が窓からの光を受け綺麗に光りながら流れるようにシャロの元へ戻る。
あ、ありがとうございます……
本当に綺麗ね……
あ、はい……
顔を寄せ、シャロの顎に手を添えながらノエルが言う。
熟れた無花果のような甘くからめとられるような感覚にシャロは思わず身じろいだ。
逃げなくてもいいではありませんか。仲良くしましょう?ね?
はいはいそこまでー
ノエルはほっとくとすぐ女の子に手を出そうとするんだから
いいじゃないですか。可愛い女の子は正義ですよ?
真面目に仕事しなさい
マリアが呆れたような口調で言う。
ノエルは、ふふふっと笑うとマリアに顔をよせた。
つれないですわね
まだ私あなたのことあきらめてませんのよ?
本当に綺麗な顔をしているんだから……
わ、わ、私のことはどうでもいいんです!
マリアは、顔を真っ赤にしながらノエルから目をそらした。
ノエルはその様子を楽しそうに見つめている。
マリアは咳ばらいを一つすると、また普段のクールな表情を取り戻した。
シャロさんには、まずここで掃除の仕事をしてもらいます。
ノエルさんに指示を受けてやってください。
分かりました!
じゃあ、ノエル。任せましたよ
はーい。
さ、シャロちゃん、おいで!
『真面目に』やってくださいね
マリアはノエルにくぎを刺したが、ノエルはわれ関せずといった様子でシャロを連れて奥の部屋へと進んで行った。
ん?
腕組んで行く必要あったのかしら?
シャロちゃん筋がいいわね
ありがとうございます!
窓ふきも完璧……
私たちそう掃除班にほしいわねー
ノエルとクレアに指示を受けながらシャロは順調に掃除を進めていた。
シャロ自身は考えたことは無かったが、どうも掃除のセンスが有るらしい。
こんなものね。
シャロちゃんはクレアより働いてくれるから助かるわぁ
なによぉ!!
やめちゃうよ?
別にいいわよ?
シャロちゃんが来てくれるもんね~?
あ、いや……私は……
戸惑うシャロの元に救いの手が伸びた
もう行きますよシャロ
次の場所があります
あ……
め、女神さまだ……
は?
どうもシャロはノエルの毒に犯されてしまったらしい