【51】

























え、ええと


あの女神はなんて言ったっけ。

ええと

ええと

ええと……




ボクは
メルヘンなオッサンが
期待しているであろう言葉を
必死に思い出す。

そ、そうだ

あ、あなたが落としたのはこれですか~


ボクは
手にしていたそれを差し出した。



ボクの所持品だ、
オッサンが落としたものじゃない。

だけど、
なにか言わないと収拾がつかない。






オッサンの注意がそれた隙に
逃げよう。




そう、思っていたけれど

そうです!
それが私が落としたものです!!


オッサンはそれを
あっという間に奪い取った。

え!?

あ、ええと、嘘! 違、

なに言ってんだこのオッサンは!!
それは正真正銘ボクの、

私が落としました。

さすが女神様、よくわかっていらっしゃる!

……


嘘つけ。

では私はこれで!

あ、ちょっと!!


オッサンは脱兎の如く逃げ出した。


























……

ボクは
アイテムをひとつ失った。

(所持品から選択したアイテムが消えます)





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