あの日以来、彼女に対するいじめは始まった。
最初は靴が無かったり、教科書が捨てられていたりする小学校でありそうないじめだった。
まあ、あのグループはバカの集まりだったのだろう。
既読無視が原因で始まるいじめ…間違いない。
だが、一週間、また一週間と時が経つにつれて、いじめはエスカレートしていく。
スマートフォンの電話番号や、家の住所が黒板に書かれていた日には、正直僕でも鳥肌が立った。
そんな事をされ続けている彼女は、それでも学校を休むことは無かった。
そんなある日、僕はいつもの様に一人で家に帰り、途中晩御飯の買い物するためにスーパーに寄った帰り道である。
通りがかった公園に、ブランコに揺られて彼女は一人で泣いていた。
もちろん、僕にはこれっぽっちも関係が無いので、見て見ぬフリをして通り過ぎようとした。
だが、彼女の手から鋭く光る物が見えた瞬間、僕は歩く方向を変えた。