この話では特にこれといったことも起こりません。

しかし、考えてみると少し怖い話です。

あるお寺の有るほうから山道を下って集合地点まで向かう、ということがありました。

猿が出ることもある山だったと思います。
早朝に一度、ガサッという音がしたかと思うと木の枝が揺れたのを見かけたことがあります。

周囲に居る人が少々騒がしかったですが。

私達は自力で歩いて行く他になかったのですが途中でどうやら先生のミスで別の道に向かってしまい、はぐれてしまう人がいたそうです。

歩き始めて一時間以上は経ったかという頃。ようやく目的地にどうにかたどり着きました。

山にあるというだけで特にこれといった特徴もない広めの駐車場です。

そこで一旦、待ち時間の間に数人で公衆トイレに向かいました。

思っていたよりも中は綺麗で普通だな、と思っていると。

紙が一枚、上の方の真ん中あたりに貼ってあるのが見えました。

割と大き目の紙です。

そこに菩薩か何かが書かれていました。

近くにはお寺が幾つかあるようなのでおそらく、これは何処かのお寺のものだったのでしょう。

トイレに御札がある、ということ自体驚きでした。

普通は公衆トイレに入ってもそんなものを見かけることはないはずです。

なら、何故あるのか。

それは山にいるものを寄せ付けない為だったのかもしれません。




水回りに集まりやすいそうですから。

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